「数学好きな子に育つ」東大生家庭の“簡単ゲーム” スーパーや飲食店、様々な場面で実践できる
例えば、本来であれば卵を1週間に3個のペースでしか消費しない家庭が、賞味期限が2週間の卵を10個購入した場合を考えてみましょう。 普段と同じペースで卵を消費していた場合、卵は賞味期限が切れたタイミングで4個余ってしまい、残りの4個は賞味期限が切れて、味の落ちた状態で消費されることになります。あるいは、賞味期限内にすべての卵を消費しようとした場合、無理をして1週間で卵を追加で2個消費することになります。
つまり、一見お得のように見える「Bを選択する」という行動が、「わざわざ100円多く支払って、普段食べる量よりも多くの卵を買っている」という行動だと言うことができるのです。それはお得と言えるのでしょうか? こう考え出すと、一概にBのパックがお得だ、とはならなくなります。このように、ほかのシチュエーションも考えながら、比較できるようになると、子どもたちもいろんなものを数値で表そうとするようになります。
例えば、お小遣いに関しても同じように質問をしてみましょう。 「1カ月で1000円ずつもらえるのと、1年の最初に一括で1万円渡されるのと、どちらのほうがいい?」と聞けば、子どもたちは「1カ月ごとに1000円もらったほうが、1000円×12カ月=1万2000円だから、1万円もらうよりも2000円儲かることになるな」「でも、最初にもらったほうがいろんなことができるし、ほしかったゲームが先に買えるかもしれない」などと考え出して、「うーん」と頭を悩ませることになります。
そうやって悩んで結論を出そうとすること自体が、子どもにとっては数学を使ってものを考える習慣となり、数学に興味を持てるようになるのです。 レストランでも同じことが言えます。例えば、親子2人でレストランに入ったとします。そこでは前菜、ピザ、パスタ、ドリンクがすべて1品500円(税抜き)です。 その一方で、コースを選ぶこともできます。2時間飲み放題付き3000円(税込み)で、前菜からピザやパスタまで出てくるコースです。