大麻工場燃えたらどうなる?タイの火災にうかがえた汚染の深刻さ
【特派員オンライン】
大麻工場が燃えたらどうなるのか-。私は内心、ずっと気になっていた。 「AKIRA」で知られる漫画家大友克洋さんの名作「気分はもう戦争」(原作・矢作俊彦さん)を40年ほど前に読んだ際、大麻畑が燃えるシーンがあり、近くにいた兵士が幻覚状態に陥ってハチャメチャな戦闘が行われる様子が描かれていた。少年だった私は「そんなことがあるのか」と真に受け、場面が脳裏に強く焼き付けられた。 これと似たような事態が今月9日、大麻が一部解禁されているタイで起きた。チャチュンサオ県の大麻を集積している倉庫で火災が発生。倉庫では大麻の箱詰めなどをしており、大麻が燃えた煙は一帯に拡散した。 消火活動には約50分かかり、交流サイト(SNS)には「消防士は大丈夫か」などのコメントが寄せられた。結論を言えば漫画のような状況にはならず、従業員は逃げて無事。消防士にも異変はなかった。倉庫は人家から離れており、拡散した煙の影響もなかったらしい。 ただ、現場には煙を吸おうと集まった浅ましい不心得者がいたらしく、意外な場所で大麻汚染の深刻さがうかがえた。 (稲田 二郎)