【陸上】400mH豊田兼「周りに揺さぶられずに自分のレースができた」 日本歴代5位の48秒36で堂々V/セイコーGGP
◇セイコーゴールデングランプリ(5月19日/東京・国立競技場) 世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールドのセイコーゴールデングランプリが行われ、男子400mハードルは豊田兼(慶大)が自己記録(48秒47)を0.11秒更新する、日本歴代5位、学生歴代3位、今季世界7位の48秒36で優勝した。 男子400mH日本歴代10傑をチェック! 「静岡国際、関東インカレと連戦が続いて、脚に不安な部分があったので、(48秒47をマークした昨年10月の)アスレチックスチャレンジカップのレースを再現したいなというぐらいの気持ちだった」と、前半はスピード感を出しながらも抑え気味に入った。 また、「静岡国際のように前半から突っ込むレースをすると、自分の脚ではまだ後半に耐えられない。タイムを出すには前半は余力を持って入らないといけない」という冷静な判断もあった。 バックストレートに入ってから内側のワイズマン・ワレ・ムホベ(ケニア)に迫られたものの、豊田の走りや心理面にほとんど影響はなかった。「周りに揺さぶられずに自分のレースができた」と振り返ったように、外から2番目の8レーンに入ったことも、自分の走りに集中するという点で奏功したようだ。 中盤から徐々に抜け出し、最後の直線に入ってからも力強さをキープしたまま、ライバルたちを引き離した。フィニッシュ後、タイムを確認した豊田は両手を軽く叩いた後、右腕を高く掲げて喜びを示した。 「まさか自己ベストが出るとは思っていませんでした。今後の日本選手権や夏のオリンピックに向けて、タイムを上げていける、良いレースになったと思います」 フランス人の父を持ち、パリには何度も訪れたことがあるという豊田。その地で行われる世界最高峰の舞台を見据え、豊田は日本人初となる110mハードルとのハードル2種目で五輪出場を目指して突き進む。
月陸編集部