今の株式市場は「高い?」それとも「安い?」…買い時・売り時を判断する方法をプロが解説【投資の基本】
「株式市場全体が高いときに株を売って現金を作っておき、株式市場全体が安い時に株を買ってその後の値上がりを待てばよい」とはいいますが、それを判断するのは至難の業だ、という声があります。しかし、「それはそう難しいことではない」と話すのは、株式会社ソーシャルインベストメント川合一啓氏です。そこで今回は、その方法をご紹介しながら、今の株式市場全体が高いか安いかを分析してみましょう。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
日経平均株価のPBRとPERと配当利回りで大雑把に高いか安いかはわかる
株式市場全体の高低を分析する指標として、ここでは日経平均株価のPBRとPERと配当利回りを用いてみます。データの入手しやすさと、それらを目安にしている人が多いことから、それらを指標とします。目安にしている人が多いため市場への影響力も大きく、大きな間違いとはならないと思えるからです。 日本経済新聞社の「国内の株式指標・東証」というページによれば、2024年5月27日付での日経平均株価の各種指標は、以下のようになっています。 実績PBR 1.48倍 予想PER 16.57倍 予想配当利回り 1.79% これを見る限り、日経平均株価は「やや割高」といえるのではないでしょうか。個別株の場合、PBR1倍以下、PER15倍以下、配当利回り3%以上が割安の目安といわれますので、それと比較するとどの値もそれを上回っているからです。 ゆえに現時点では、日本の株式市場全体も、大雑把にはやや割高だと判断してよいと思われます。というのも、日経平均株価は基本的に、時価総額の高い日本を代表する会社225社の株価の平均値であり、その動向が日本の株式市場全体を大きく左右するからです。 もちろん、「日経平均株価」は「日本の株式市場全体」と完全に同じものではありませんが、大雑把な判断をするのには十分利用できる指標ではないでしょうか。 ちなみに、バブル期の日経平均株価は、PBRが5.6倍を、PERが60倍を超えていたそうです。今考えると明らかに、株価は高すぎたのです。そしてバブルは弾け、その後日本は深刻な不況に陥ります。 このような大雑把な分析でも、そのような異常事態は実は簡単に察知できるものなのです。