絶滅危機の野生生物、多数撮影に成功 カンボジア
(c)AFPBB News
【11月9日 AFP】カンボジア南西部のカルダモン山脈(Cardamom Mountains)で11か月間にわたるカメラトラップ(自動撮影装置)での撮影が初めて行われ、絶滅の危機にひんする種の野生生物が多数撮影された。国際環境NGOが先月末に発表した。この山脈では複数のダムが建設されていて、調査を実施したNGOは山脈の自然を守る必要性を強く訴えている。 調査は国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)が実施した。カメラ147台が設置され、昨年2月から12月の間に、5万5000本の映像と2万2000枚の写真が撮影された。 期間中に撮影された映像には108種の野生生物が映っており、このうち23種が、国際自然保護連合(IUCN)がまとめる「レッドリスト(Red List)」で「危急種(VU)」もしくはそれ以上の危機にひんする種として分類されているものだった。 報告書によると、カメラで撮影されたのは鳥類65種と哺乳類38種、そして爬虫(はちゅう)類5種だった。この中にはカンボジアに残る肉食動物でイヌ科の「ドール(別名:アカオオカミ)」やアジアゾウ、そしてアジアゴールデンキャットも確認された。他にも、ウンピョウやマーブルキャット、マレーグマやツキノワグマの姿も捉えられていた。 調査を実施したNGOで、シニア・テクニカル・ディレクターを務めるジャクソン・フレシェット氏は「カルダモン山脈は野生動物にとってまさに天国であり、世界で最後に残された『隠れ家』の一つ。希少種の存続にとって極めて重要な環境であり、カンボジア国内においても国際的にも、一部の絶滅危惧種にとっては貴重な生息地だ」と話した。(c)AFPBB News