制球力で勝負する技巧派左腕 明徳義塾・新地 交流試合の注目投手!
2020年甲子園高校野球交流試合の第1日第2試合で、明徳義塾(高知)は鳥取城北と対戦する。打力のあるチームを相手にエース左腕・新地智也投手(3年)がどんな投球を見せるか。 制球力は出場投手随一だ。昨秋の公式戦では9完投のうち7試合が無四球。左腕から繰り出す120キロ台後半の直球やチェンジアップ、スライダーが精密機械のように、構えたミットに吸い込まれる。 高校入学時から球速は120キロそこそこ。制球力を磨くことが生き残る道だった。2学年上には140キロ台後半を投げる市川悠太(現ヤクルト)がいた。「球速では勝てない。制球力で勝負しようと思った」。もともと制球が悪いタイプではないが、1年の冬から走り込みで足腰を鍛えて体軸がブレなくなったことで、2年時には思い通りに投げられるまでに成長した。 甲子園は「ウソのつけない場所」と言い切る。甲子園で初先発した19年夏の2回戦。いつもとは逆の内角中心の配球で智弁和歌山の強力打線をほんろうしていたが、七回に失投をホームランにされ、チームも敗れた。「努力が足りなかった。もう1回(甲子園のマウンドに)立てるので、1年間やってきたことを試したい」 交流試合に向けて7月は、午前中の時間をすべて走り込みに充てる日を作るなど、原点に戻って体作りをしている。「完封とは言わないが、最後までマウンドに立っていたい」。高校野球生活の最後は笑って終えるつもりだ。【安田光高】