〈立憲代表選〉「進次郎に勝てるのは野田だけだ」“壊し屋”小沢一郎が側近を切り捨て“因縁”の野田佳彦とまさかのタッグ結成…「政権交代を果たさなければ死んでも死にきれない」異常な執念
もう一度政権交代を果たさなければ『死んでも死にきれない』
だが、そもそも2012年に野田政権が進めた消費税増税に対して反旗を翻し、造反を主導したのは小沢氏本人だ。実際に小沢氏も増税法案に反対票を投じ、牧氏と同じく除籍処分を受けている。 このときに小沢氏が立ち上げた新党が「国民の生活が第一」で、牧氏も参加し幹事長代行を務めた。 それから紆余曲折を経て、野田氏も小沢氏も今は同じ立憲民主党に籍を置くことになったわけだが、こうした経緯から、小沢氏が野田氏を応援することは、じつに異様だといえる。2人の“恩讐を超えたタッグ”はなぜ実現したのか。 「小沢氏はそもそも1994年の選挙制度改革を主導し、衆院選に小選挙区制を導入した。その心は、同じ選挙区で自民党同士が争うなどの派閥による疑似政権交代ではなく、政党による本当の政権交代を実現することにある。 そして、2009年には実際に民主党による政権交代を果たしたわけだが、残念ながら短命に終わってしまった。小沢氏はもう一度政権交代を果たさなければ『死んでも死にきれない』と周囲に語っており、そのためなら宿敵である野田氏とも手を組めたというわけだ」(立憲中堅議員) 自民党は裏金問題で大逆風となり、派閥が次々と解散され、それ故に大乱立の総裁選が巻き起こっているが、一方で野党による政権交代の兆しは見えない。 その理由の1つに、野党が乱立し、選挙で自民党を利してしまうという状況がある。小沢氏はこれまで、共産党との選挙協力を進めて選挙区による候補者の一本化を目指してきたが、しかし最近は日本維新の会が党勢を伸ばしており、選挙で戦う上で無視できない存在になっていた。 そこで、小沢氏は立憲の中でも保守系で、維新との関係が良好な野田氏に目を付けた。 「野田氏は裏で維新の馬場伸幸代表と会食をするなど一定の縁がある。維新は表では選挙協力を否定しているが、野田氏が代表になれば選挙区ごとの裏取引に応じる可能性は高いだろう。そこに、これまで共産との選挙協力を進めてきた小沢氏が一緒になれば、共産から維新まで幅広く候補者を一本化する体制が作れるかもしれない」(立憲中堅議員) 共産から維新までの候補者一本化。もちろん両党と全国一律の選挙協力に持っていく事は不可能に近いが、個別の選挙区であればそれぞれ調整できるところもあるかもしれない。 いずれにせよ、小沢氏が野田氏を応援した背景には、政権交代に向けた執念が見え隠れする。
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