西武の「チャンステーマ4」に人はなぜ引き込まれるのか? 熱狂的レオ党の著名ピアニスト、清塚信也氏に聞いてみた
プロ野球のオープン戦が本格的に始まり、29日の開幕がいよいよ近づいてきた。試合とともにファンを熱くさせるのが、コロナ禍による規制が緩和され、昨季、3年ぶりに復活した声出し応援。各球団とも定番の応援歌がある中、特に他球団のファンからも人気なのが西武の「チャンステーマ4」だ。主に試合終盤の得点チャンスに、男女別パートで熱唱するこの曲になぜ引き込まれるのか。熱狂的なレオ党で知られるピアニスト、清塚信也氏(41)に理由や、チームのために2021年に制作した「WE ARE ONE」への思い、親交のある源田壮亮内野手(31)をピアニストから見たすごさなどを尋ねた。(聞き手・構成=末継智章) ■「愛おしい」源田夫妻が雑誌の表紙に【写真】 ◆ ◆
【歌いやすさと王者の風格】
―球界全体を見ても人気な西武のチャンステーマ4。音楽的な視点からどう感じているか。 「この曲はまず歌いやすくて、力強い。例えば『ドミドファドソ』のように、音を飛ばしていく『跳躍』があると歌うのが難しいですが、この曲は『ドレミ…』のように一つずつ上がっていくので、子どもから大人まで歌いやすいんですよ。大黒摩季さんの『ら・ら・ら』と一緒ですね」 ―男女でパートが分かれるのも特徴。 「最高ですよね。女性(の声量)が負けていないのが良く、力強い。男女ともに応援しているのが出ている。あの部分、最初のメロディーの変形型なんです。バリエーションが広がっていたりするので、それも音楽的におしゃれです」 ―他球団の気になる応援歌は。 「阪神のチャンテ(チャンステーマ)もいい。一体感がありますよね。甲子園で聞くと、っていうのもあるかもしれないですけど。あと、ロッテのチャンステーマもそう。BPM(1分間の拍数)が速く、メロディーを歌うのが結構難しいのに、大きな声で全員で歌えるって、どこか体育館とかで練習しているのでは、と思います。手拍子も合っている。速くて難しい曲をみんなでできている。あの一体感は(西武ファンからすると)ちょっと嫌ですね」 ―守る西武としては焦ってしまう。 「確かに。ただ、BPMが速すぎない西武のチャンテ4には、王者の風格という感じがします。ライオンが逃げも隠れもせん!というね。メロディーも堂々として、トリッキーじゃない。これはもう、点を取って当たり前だぞっていう風格を感じます」 ◆ ◆