濡れ場にドキドキ…セックスレス夫婦の「公認不倫」を濃厚に描く『1122』。昨年話題の『あなして』との“決定的な違い”は
長い濡れ場にドキドキ。“事前”や“事後”まで濃厚
ただ、濡れ場は『あなたがしてくれなくても』に負けず劣らずの濃密さ。本作では、“行為中”よりもその前後についつい注目したくなる。3話で一子が女性用風俗を利用した際、セラピストの池端礼(吉野北人)から「最近マッサージ練習してて、よかったらやってみません?」と提案を受ける一子。それを了承すると礼は一子の背中に回って肩や腰のコリをほぐしていくが、その手は次第に一子を包み込みバックハグをする。そして、耳元で「ベッド行こうか」と囁き、一子をお姫様抱っこしてベッドに搬送した。 4話の一子と礼が行為終了後に風呂場でイチャイチャするシーンも刺激的。浴槽につかりながら、またしても礼が一子をバックハグして2人で微笑み合っている様子にはニヤニヤさせられた。地上波ではなかなか濡れ場をしっかり流すことが難しいのか、濡れ場が結構アッサリした地上波ドラマが少なくない印象。配信ドラマだからこその強みなのかもしれないが、『1122 いいふうふ』では濡れ場も時間をかけて流されていたため、一子のドキドキをしっかりと堪能できた。
しっかりと嫌な気持ちになった「印象的なシーン」
濃厚な濡れ場もポップな日常パートも魅力的ではあるが、2話で一子の実家に夫婦で訪れたシーンの雰囲気もたまらない。一子の母親・山根奈々(風吹ジュン)と一子は関係が良好とは言えず、奈々は「あんたのその喋り方と目の座り方、あの人と同じ」と苦言を呈すように話し、DV気質だった亡き夫と一子を重ねる。これに一子は「あの人がDVクズなのはわかるけど、私はその遺伝子半分受け継いじゃってんの」「でもそれ、私のせいじゃないから」「結婚生活解消できるのにそうしなかったのは自分の選択でしょ?」と反論。2人が笑い合うことはなく、ただただ重苦しい空気が流れた。 愛情たっぷりに育てられたわけでもなく、かといって凄惨な虐待を受けたわけでもない。そんな相容れない親子の絶妙な距離感がリアルに映し出されており、しっかりと嫌な気持ちになった。いろいろな空気感が味わえ、なにより公認不倫といういびつな制度を通して夫婦の向き合い方を示す『1122 いいふうふ』。どのような結末を迎えるか気になって仕方ない。 <文/望月悠木> 【望月悠木】 フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
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