米株急落に備え、恐れ知らずの強気に変化-テールリスクヘッジ上積み
(ブルームバーグ): 米株市場でS&P500種株価指数が先週乱高下し、長い間楽観してきたトレーダーにとって、これまで何カ月も無視してきたヘッジに目を向けるきっかけが生じた。
地政学的緊張の高まりや金利を巡る不確実性にもかかわらず、米株価が相次いで過去最高値を更新する状況で、今年1-3月(第1四半期)は市場全般の保険に対する需要が過去数年で最も低くなった。しかし、先週はさまざまな尺度から下降に備える意欲が増し、状況は変わった。
チャールズ・シュワブのトレーディング&エデュケーション担当ディレクター、ジョー・マッツォーラ氏は「金利上昇と利下げ可能性の後退にもかかわらず、1-3月をたやすく乗り切ったと人々は認識し始めている。どこかの時点で何とかしなければならない」と指摘した。
「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は4日、昨年11月以降で最も高い水準で終了。株価の反発に伴い、5日は低下したが、200日移動平均をなお上回る。
今年3月後半以降、投資家は徐々にヘッジを積み増しており、弱気の3カ月プットオプション価格は、強気オプションに対するプレミアムが1月半ば以降で最も大きくなった。今年に入り注目が高まった保険、つまり小幅な調整でなく、大幅な値崩れに備えるテールリスクヘッジにポジションが上乗せされた。
ベルモント・キャピタル・グループでウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)会社向けヘッジ戦略を担当するスティーブン・ソラカ氏によれば、株式ベンチマークと個別のテック銘柄の両方に連動するポートフォリオヘッジについて、顧客から問い合わせが増えているという。
原題:Fearless Stock Bulls Start Hedging as Fed Policy Pivot Stalls(抜粋)
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Carly Wanna