ドラフトウラ話…大学、社会人で2度の指名漏れ→DeNAから1位指名 苦労人右腕・竹田祐の“三度目の正直”「去年は気持ちがサーッと引いていって…」
「何かを変えなければ」…来年も指名はない
自分自身、何かを変えなければ来年もない。そう危機感を抱いた最中、改善点としてまず着手したのがフォーム改造だった。 「速い球を投げるピッチャーのフォームを自分のフォームと比較したときに、自分は下半身を全く使えていないと感じたので、下半身で投げられるようになりたいと思ったんです。 去年までだと上半身頼りで、なんかこうギッタンバッコンって投げている感じだったので、フォームを見直すことにしました」 シーズンが終わった昨年の11月からフォームをひとつひとつ見直す作業に入った。 まずは軸足。バランスを良くするために、右足を踏み込む時間を長くした。そのために右足で耐えるトレーニングや、股関節の可動域を最大限に使えるトレーニングを敢行。トレーニングに関する動画サイトなども参考にし、身体の使い方を身に染み込ませた。 「今まで身体の使い方を意識してきたつもりだったんですけど、実際はピッチングには生かせていなかったと思います。 大学4年生の時に指名漏れをした時も、何かを変えないといけないとは思ったんですけれど、何を変えればいいのか分からなかったんです。というか、そもそも自分がピッチングで何を大事にしていたのかと言われるとそれがなくて。ただただ投げているだけだったような気がします」 それまでのピッチングは“その日の調子頼り”だった。良い時は良いとして、悪い時も反省はするが、では何をすればいいのか突き詰めることもなく、おざなりにしたままだった。 「今日はアカン、あ、また今日もアカン、みたいな日の繰り返しで。でもその先までは考えていなかったですね。練習はサボっていた訳ではないけれど、ただやっているだけ。細かいことはせずに、自己満足で練習して終わっているだけだったように思います」 何となく惰性でやっていた練習への意識を変えた。 身体の細部まで見渡し、そこに見合ったトレーニングや練習方法を試すことで、自分に何が最も必要なのかを真剣に考えるようになった。 「右足の使い方がしっくり来たことで良い形で下半身を使えるようになったんです。リリースポイントよりも足の使い方を意識したら、軽く投げても150キロが出るようになりました。すべては右足の使い方を変えたことでマッチングしていったというのもあります。そこから試合で投げていくうちに良い感覚を掴んでいけるようになりました」 アメリカンフットボール選手だった父の教えから中学3年から毎日のストレッチは欠かさない。 当時は30分ほどしか時間をかけなかったが、今は携帯電話を見ながらでも隙間時間を見つけて1時間以上は時間をかけるようになった。そのお陰で肩肘に大きなケガをしたことがないが、それ以上に身体の使い方こそが自身を変える大きなきっかけとなった。
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