京阪神エリアを駆ける「新快速」…「特急よりも速い」というのは本当か 過去と現在のデータから“都市伝説”を検証
京阪神を走破するJR西日本が運行する新快速ですが、たまに「新快速は特急列車よりも速い」という言説を聞きます。これは都市伝説なのでしょうか、それとも真実なのでしょうか。時刻表を片手に調べることにしました。 【写真】新快速よりも遅かった、キハ181系時代の「はまかぜ」
新快速VS特急列車の勝負はいかに
対象とする区間は複々線区間の明石駅から京都駅までの上り方面。時間帯は原則として日中時間帯とします。明石~京都間の新快速の停車駅は明石、神戸、三ノ宮、芦屋、尼崎、大阪、新大阪、高槻、京都です。 明石駅から大阪駅までの所要時間は37分、明石駅から京都駅までの所要時間は68分です。表定速度は明石駅から大阪駅までは時速85キロ、大阪駅から京都駅までは時速89キロ、新大阪駅から京都駅までは時速98キロ、明石駅から京都駅までは時速84キロです。 明石~京都間を走る主な昼行特急列車は「サンダーバード」「スーパーはくと」「はまかぜ」「はるか」です。 停車駅はそれぞれの特急列車により異なります。「サンダーバード」は大阪、新大阪、高槻(一部停車)、京都です。「スーパーはくと」は明石、三ノ宮、大阪、新大阪(一部停車)、京都(一部停車)です。 「はまかぜ」は明石、神戸、三ノ宮、大阪です。「はるか」は大阪、新大阪、高槻(一部停車)、京都です。いずれにせよ、どの特急列車も新快速より停車駅が少ないことは明白です。 各特急列車の所要時間は「サンダーバード」(大阪駅→京都駅)は27分、「スーパーはくと」(明石駅→大阪駅)は33分、「はまかぜ」(明石駅→大阪駅)は38分、「はるか」(新大阪駅→京都駅)は27分です。 各特急列車の表定速度は「サンダーバード」(大阪駅→京都駅)は時速95キロ、「スーパーはくと」(明石駅→大阪駅)は時速95キロ、「はまかぜ」(明石駅→大阪駅)は時速83キロ、「はるか」(新大阪駅→京都駅)は時速87キロです。 ただし、比較で使った「はまかぜ2号」は明石駅発が9時23分であり、明石駅発9時20分の新快速は大阪駅に9時59分に到着。所要時間は「はまかぜ2号」よりも1分遅い39分です。 このように比較すると、新快速よりも遅い特急列車は「はるか」ということになります。上り「はるか」は京都駅付近でJR京都線から嵯峨野線(山陰本線)へ転線。速度制限を受けるため、時間を要してしまいます。