デコトラに取り憑かれた男が語るデコトラ愛! 心を鷲づかみにされる7つの魅力とは
兎にも角にも迫力満点!
日本の文化として定着し、多くの人たちにその存在を知られるデコトラ。トラックを派手に飾り立てた改造車のことを指す言葉だが、多くの人を虜にするという不思議な魔力を秘めている。 【画像】昭和のデコトラのペイントはエアブラシではなく筆描きだった 本稿を書いている筆者も、少年時代にデコトラに魅せられたひとり。自転車をデコトラのように飾り立てるデコチャリを製作し、普通免許を取得すると同時にデコトラライフを満喫するようになった。よくある改造車のひとつに過ぎないデコトラだが、デコトラには大きな特徴が存在する。それゆえ半世紀にわたって発展し続けるなど、息の長い文化となっているのだ。 そんなデコトラの、どこが素晴らしいのか。実際に心を奪われてデコチャリやプラモデルを作成し、自身でデコトラを製作したのちに、専門誌「トラック魂」の2代目編集長になった筆者が、昭和時代におけるデコトラの素晴らしさについて解説してみたい。 まず第一に迫力感。普通乗用車をベースにするのではなく、トレーラーや大型車まで存在するデコトラは、兎にも角にも迫力満点。たとえ小型トラックであっても、乗用車にはない迫力感と存在感があるため、見る者の心を刺激するのだろう。 ふたつ目は、同じような車両が存在しないということ。一般的な改造車の世界では、メーカーから販売されている汎用のエアロパーツなどが存在する。しかし、デコトラの飾りはそのほとんどがオーダーメイドであるため、同じような仕上がりを見せる車両がいなかった。そして各車に「●●丸」などのニックネームがつけられていたため、特定しやすかったり、ひと目見ただけで瞬時に判断できたのである。 平成後期以降はマンネリ化が進んできたデコトラ界だが、昭和の時代ではそのような大きな特徴があった。昭和の時代が似たようなトラックが増えた時代のような状況であったならば、筆者もデコトラの世界にのめり込まなかったかもしれない。 3つ目は、トラックの車体に描かれた絵。デコトラ業界ではペイントと呼ばれているのだが、昭和の時代ではペイントを描くことがデコトラにおける大きな要素だった。装飾の有無はもちろんだが、ペイントを入れることで完成度が大きく高まったのである。当時はエアブラシではなく筆描きが主流であったため、荒々しく重厚な作品が人気を集めていた。