加藤勝信氏、自民総裁選レースで急浮上 「最大公約数」も知名度低く選挙の顔には?
■なくなった障壁
茂木氏は令和3年秋に派閥会長に就くと、加藤氏を会長代行とする案を退けて副会長に起用し、意思決定の中枢から外した。加藤氏としても、総裁選に出馬すれば派閥を割る行為と周囲に見られかねなかった。だが、茂木派は4月に解散方針を決め、障壁はなくなった。
最大の課題は知名度不足だ。温厚だが地味。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が15、16両日に実施した合同世論調査では、次の首相にふさわしい政治家を問う項目で0・3%で、選択肢13人のうち12位だった。
次の総裁は衆院選と参院選で前面に出る役割を担う。ベテラン議員は「党の顔にならない。それなら『国民受けがいい石破さんに』という流れになる」と指摘する。
もっとも石破氏は麻生氏や生前の安倍氏に敵視され、安倍派、麻生派、党内保守系の支持を得にくい。茂木氏、高市早苗経済安全保障担当相らも党内の支持の広がりなどに課題を抱えている。「他にいないから加藤氏で良い、という形になるのでは」(党幹部)との見方は根強く、加藤氏も党内情勢を見極めているようだ。(田中一世)