アサヒスーパードライPNC初戦・カナダ戦へ、ジョーンズHC「フィジカル×超速の戦い」
決戦前の8月24日、ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHCと立川理道主将がオンライン取材を実施。『アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024』初戦・カナダ戦に向けて、指揮官が意気込みを語った。 【PHOTO】立川理道 「我々は先週の土曜日にカナダに入り、選手全員がいい準備をできている。質の高いトレ―ニングをし、チームとして一丸となっている。相手も若く、似たチーム同士のバトルになるのも楽しみにしている。今回の試合は人工芝の会場となり、スピードも上がり、我々の超速ラグビーを体現することになると思うので楽しみにしている」 カナダ戦の日本代表試合登録メンバーは以下の通り。 1三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)10 2坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)44 3為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)3 4サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)5 5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)14 6ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)2 7下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)6 8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)8 9藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)2 10李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)14 11マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)0 12ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ)0 13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)20 14ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)11 15矢崎由高(早稲田大学)3 16原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)3 17茂原隆由(静岡ブルーレヴズ)3 18竹内柊平(浦安D-Rocks)6 19桑野詠真(静岡ブルーレヴズ)1 20アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ)0 22小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)2 22立川理道(主将、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)56 23長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)10 ※所属チームの後の数字は代表キャップ数。 代表デビューとなるツイタマとマクラカンの評価とともに、立川主将がベンチスタートとなることを質問されと、ジョーンズHCはこう返答した。 「我々は常にベストな23名を選んでいる。ニューキャップを得るマクカランは最初の合宿から参加し、とてもハードワークし、いいトレーニングを積み重ねている。サミソニ(・トゥア)が右ヒザに不安があるので、今回はマクラカンに出場機会を与えようと思った。マロは8月に代表資格を得たが、オフ・ザ・ボールでの動きがよく、海老澤(琥珀)と熾烈なポジション争いを展開しているが、今回はツイタマがチャンスを得た。 ハルはしっかりキャプテンの役割を果たしている。今回はベンチスタートの役割を担っている。主将としての言葉遣い、ほかの選手との関わり方、我慢強さを見せて、チームをまとめてくれている」 ベンチスタート時のリーダーシップの難しさを聞かれた立川も問題ないとキッパリ。 「基本的にゲームに出る出ないのところで自分の試合に向けての準備は変わらない。ベンチスタートだから特別何かすることはない。23名に選ばれた中で、ベストの準備をすることが大事。カナダに来てから競争力が高まっているが、それはノンメンバーの貢献が高いからだと思う。選ばれた23名でしっかり責任を果たしていきたい」 9月に大学ラグビーのシーズンがスタートする矢﨑の去就について質問が飛ぶと、指揮官は? 「矢﨑は日本で一番うまいFBであると思っている。だが、もうすぐ早稲田のシーズンがスタートすることは理解しているので、この後大学に戻る。我々は早稲田といい関係を築いているし、永友(洋司日本代表チームディレクター)が今後について色々調整している。矢崎にとってハイパフォーマンスな環境でトレーニングや経験を積むことはブラスになっているし、ハルや(松田)力也、山沢(拓也)と一緒に練習することはプラスになっていると実感している。 村田(大和)と海老澤もトップレベルな環境で練習することで成長速度が上がっていると思う。今回の合宿で多くのことを学んだし、とくに海老澤はいいトレーニングを積み、いい学びを得ている。今回の試合の後から大学へ戻る予定で進めている」 FW第3列の人選について、ジョーンズHCは以下のように言及した。 「コストリーに関しては6・7・8番ができるということだが、現状どこが彼のベストポジションかはわかり切ってはいないところがある。8番はマキシがベスト、彼は世界一のエイトになる可能性を秘めている。下川は7番がベストだと思っている。ワークレイトが高いし、ハードワークできるので。コストリーはボールを持ってランするタイプの6番だと思っている。6番がいいと思うが、まだベストのポジションは図りかねている」 SH藤原&SO李のハーフ団のコメントを求められたHCと主将は? ジョーンズHC「まず齋藤(直人)が(スタッド・)トゥールーザンへ移籍し、福田(健太)もケガを抱えている。本来は3人目のSHを探す機会となる。小山はイタリア戦で先発しいいプレーをしたと評価しているし、藤原はアタックで素晴らしいものがある。今回チャンスを得て、ビッグゲームになるが、まずは経験してみないと進まない。李も同じ。サマーシリーズ2試合で先発し、イタリア戦はベンチだったが、まだまだ学んでいる成長途中の10番。所属している神戸では10番でプレーする機会はなく、違う形で成長している。ハルや力也という素晴らしいメンターもいる。本人の強みであるスピードやキャッチパスのスキル、ラインにどんどん仕掛けるアタックするところ、キックゲームなどSOとしていい要素を持っているので、今後経験して成長していってほしい」 立川「彼らふたりは本当にスピードがあり、テンボを作り出すことが上手、超速ラグビーにとって脅威になるハーフ団だと思う。ゲームをコントロールする役割でもあるので、いつペースを上げるか、いつコントロールするのか、経験を積む必要があるが、日に日にコンビネーションもよくなっているし、チームをリードしている。同部屋で一緒にゲームを見たり、練習の映像をチェックする姿をよく見ているので、ふたりに頼るのではなく、周りがふたりをサポートすることによって、彼らの成長のスピードもさらに上がっていくと思う」 カナダ戦では勝利にプラスアルファを求めるか問われたジョーンズHCは? 「現実的に考えると『ラグビーワールドカップ』まで4年間、最初の3年間は日本の基盤を作っていく時間に充てられる。現在経験不足なのは否めないので、経験を積み、キャパを増やして、テストラグビーができるチームを作っていきたい。もちろんテストラグビーは勝ちたいし、格下相手には勝ちにこだわっていきたい。ただ最初の3年間はチームを育成しながら、勝利するというふたつの責任を果たさないといけない。カナダはフィジカルが強く、日本はスピーディなチーム。日本としてはフィジカリティで上回り、ブレイクダウンで相手を凌駕してクイックボールを出して超速ラグビーを展開したい。今回の試合はフィジカル×超速の戦い。我々にとって重要な挑戦となる。『これ以上いいトレーニングはできない』と言うほどの素晴らしいトレーニングを積んでいる。今後インテンシティを上げて、我々のスキルをよりベターにして日曜日を迎えたい」 『アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024』のプールAはフィジー、サモア、トンガ、プールBが日本、アメリカ、カナダ。日本代表は8月25日(日)・BCプレイス・スタジアムでのカナダ戦、9月7日(土)・熊谷スポーツ文化公園 ラグビー場でのアメリカ戦を経て、ファイナルシリーズへ進む。『アサヒスーパードライ PNC』ファイナルシリーズは9月14日(土)・秩父宮ラグビー場にて5位決定戦、準決勝①、15日(日)・秩父宮にて準決勝②(日本代表が準決勝に進出した場合、9月15日(日)に開催される準決勝②に出場)、21日(土)・東大阪市花園ラグビー場にて3位決定戦、決勝がキックオフ。アメリカ戦、ファイナルシリーズのチケットは発売中。カナダ戦の模様はJ SPORTS 1にて生中継、J SPORTSオンデマンドにてLIVE配信。