62歳で貯蓄は「1000万円」です。定年まであと3年ですが、独身でも老後の生活を心配すべきでしょうか
定年後の生活設計をするために、定年前から貯蓄や年金収入などについて計算する人もいるでしょう。「老後2000万円問題」など老後の人生プランについてさまざまな話題が取り上げられることがありますが、中には「お金が足りなくなるのではないか」と不安な人がいるかもしれません。 今回のケースのように一定の貯蓄がある場合でも、将来の収入・支出について前もって考えておくことは大切です。本記事では、定年後に1000万円の貯蓄で生活資金が足りるか解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
1000万円あれば老後の生活は安心?
1000万円は大きなお金であり、これだけの貯蓄があれば「老後の生活は安心できる」と考える人がいるかもしれません。しかし、どれくらいの貯蓄が老後必要になるかは、年金受給額や月々の出費、健康状態などさまざまな要素に影響される可能性があります。 そこで、単身世帯が定年後に受け取れる公的年金の予想額と、月々の平均支出額をご紹介し、1000万円で足りるかどうかをシミュレーションします。 ■単身世帯の予想年金受給額 厚生労働省年金局は、2024年5月13日に行われた第15回社会保障審議会年金部会の中で、単身世帯のモデルケースを提示し、年金水準のイメージを示しました。 提示された内容によると、現役期の報酬が男性の平均的な収入である43万9000円で、加入年数を40年とした場合の年金額のイメージは「16万2483円」でした。一方、女性の平均的な収入は30万円で、対する年金額のイメージは「13万2494円」です。 年金受給額は人によって異なりますが、今回のケースでは男性のモデル金額を適用して計算します。 ■老後の単身世帯における平均的な支出額 次に65歳以上の単身世帯の平均支出を見てみましょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯における平均消費支出は1ヶ月あたり14万5430円でした。 前述の厚生年金受給額から差し引くと、「1万7053円の黒字」です。仮に同じような収支バランスが生涯にわたって続く場合、年金収入だけでも支出をカバーできる計算になります。 今回のケースでは62歳の時点で貯蓄が1000万円あり、かつ残り3年間の給与収入の一部を貯蓄に回せる可能性があります。さらに退職金が支払われる場合、貯蓄額の合計は1000万円を大きく上回ってくるかもしれません。 この場合、老後の生活資金で困窮する可能性は低いといえるでしょう。