虎のソナタ 爆笑必至!?阪神ドラ1・伊原陵人のお立ち台 虎番メロメロ「おもしろいことを言えるし、本当にいいキャラ」
記者の仕事は当然、原稿を書くことなのだが、いい原稿を書くには、取材対象の選手のコメントも大事になってくる。でも、毎回いいコメントを引き出せるとはかぎらない。むしろ、こちらが書きたいテーマ(記者の勝手な都合だけれど)に合う答えが返ってくる方が少ないかもしれない。 取材慣れしている選手だって人間だ。多くを語りたがらなかったり、口べただったり、自分から囲み取材を終えてしまう選手もいる。そんな時、記者はどうやって原稿を作ろうか途方に暮れる。デスクから「おまえの質問が悪い」「もっとちゃんと取材しろ」などと言われてもどうしようもない。やっぱり、〝おしゃべり〟の選手はありがたい存在なのだ。 来年の阪神タイガースには、抜群のトーク力を持った選手が加わる。それはドラフト1位・伊原陵人。この日、母校の奈良・橿原市立八木中をサプライズ訪問した左腕を取材したトラ番・須藤佳裕が伝えてくれた。 「全校集会で集まっていた在校生760人を前に登壇したんですが、堂々としていました。登場したとき、大歓声が起こるか、自分のことを知らなくて静かになるか、事前に2パターンの反応を想定してコメントも準備していたみたいです。自分から『僕のこと知ってる人?』って呼び掛けて、場を盛り上げようとしていましたね」 在学当時に野球部の監督だった河内剛校長から紹介され、在校生がざわつくなか、伊原は体育館の壇上へ上がった。幸い760人の生徒のほとんどが自身の呼び掛けに手をあげ、伊原は知名度が高かったことにひと安心。生徒たちに向け、好きなことを一生懸命、継続していく大切さを訴えたという。 須藤はドラフト会議翌日の指名あいさつから〝伊原番〟を務めている。社会人日本選手権や仮契約など、取材する機会がどんどん増えていっており、今ではすっかり顔なじみ。伊原も各スポーツ紙の記者たちと打ち解けた様子で「また来たんですか? もうしゃべることないですよ…。さぁ、何を話しましょうか」とボケをかますなど、早くも〝本性〟をさらけ出しているようだ。 さすが関西人。どうやら、根っからのおしゃべり好きとみられ、この日は橿原市役所を表敬訪問した後、母校へ移動するまで待ち時間があったが、関係者に「僕、談笑してきますね」と言い残し、記者たちの輪に加わった。フレンドリーで誰からも好かれる性格がにじみ出ている。須藤も「おもしろいことを言えるし、本当にいいキャラなんですよ」と魅せられている。