KDDI、Starlink衛星とスマホの直接通信に成功 サービス提供開始は2024年内の予定
対応スマートフォンで携帯電話が圏外になった場合、スマートフォンがサテライトモードに切り替わり、Starlink衛星を探して接続する仕組みです。サービス開始当初はSMSのメッセージのみ対応しますが、衛星の数が増えて通信容量が増えた時点で音声通話やデータ通信もできるようにするとしています。
気になるのは、直接通信がどのような形で提供されるかということ。KDDI 取締役執行役員常務 CDOの松田浩路氏は「標準サービスで提供するのか、1日いくらといった付加サービスとして提供するのかは現在検討中だが、より多くの人が標準的に使えるようにしたい」とし、追加料金がかからない方向で検討していることを明かしました。
9月と10月に、大型ハリケーンが米国フロリダ州などに上陸して大きな被害をもたらした際、現地の通信キャリアは被災地でStarlinkとスマートフォンを直接通信させ、SMSの送受信が提供できるようにしました。結果、12万件以上のSMSが送受信され、携帯電話の基地局が被害を受けた自然災害時の効果が確認できたそうです。自然災害が頻発する日本においても、同様の状況になっても通信手段が確保できるのは心強いと感じます。 「今回の実証実験の成功を受け、この技術が使えるということを世界の通信会社に広めていきたい」と語る松田浩路氏。“空が見えればどこでもつながる”という夢の通信環境が世界中で当たり前になる日も、そう遠くないのかもしれません。
磯修