スクープの裏に「事件屋」あり!? 盛山文科大臣と旧統一教会の関係が露見したワケ
誰かの思惑によって、「ニュース」が世に出るという例は今回の一件に限った話ではない。 大手メディアが、地道な取材を重ねた結果による「調査報道」の成果として喧伝するスク-プの中にも、「プロのタレコミ屋」ともいえる事件屋からの情報を端緒にしたものは少なくなく、メディア側は有益な情報をもたらす彼らと持ちつ持たれつの関係を築いてきたともいえる。もっとも、SNSの発信力が猛威をふるうようになった現在では、その関係性にも微妙な変化も生まれてきている。 「最たる例が、『ガーシ-』こと東谷義和氏でしょう。自ら『アテンダー』と名乗り、数々の芸能人との交遊の中で得てきた情報をYouTubeやInstagramといったSNSで発信することで注目を集めた彼ですが、表舞台に出て世間の注目を集めるようになる前は、一部の週刊誌の情報源になっていました。いわば事件屋のひとりだったともいえるのです。 事件屋がメディアを介さずに自ら発信するという新たな動きはガーシ-以降に活発になった。そういう意味では、今回の盛山大臣を巡る一連の報道は、事件屋とメディアがコラボした、昔ながらのスタイルだったともいえるでしょう」(同) ただ、マスコミも事件屋から持ち込まれる情報の全てを鵜呑みにするわけではない。 「記者クラブ制度に依存している大手メディアの記者には『当局至上主義』が蔓延しており、事件屋などからもたらされる情報は『ガワ』と言って軽視する傾向にある。事件屋のほうの思惑が多分に絡むため、情報の客観性、信頼性が担保できないという側面もあるので、打つ場合は裏取り取材も慎重に行う。ネタを得ていながら朝日より先に打てなかった他のマスコミは、裏が取りきれなかったのでは」(同) われわれが目にする「スクープ」の裏側では、知られざる情報の攻防戦が繰り広げられているのだ。 文/安藤海南男 写真/時事通信社、photo-ac.com