オリジナル歌詞で唄遊び楽しむ 奄美手熟師会が島唄講習会 新元一文さんが指導
奄美手熟師会(岬眞晃代表、会員43人)の島唄講習会が12日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美博物館であった。一般社団法人巡めぐる恵めぐる代表理事の新元一文さんを講師に、会員ら24人が参加。島唄「行きゅんな加那節」の曲に合わせてオリジナルの歌詞を作り、順番に歌を交わして遊ぶ昔ながらの「唄遊び」を楽しんだ。 手熟師会は絵画や工芸、芸能など奄美大島在住の多様な技能者たちの交流を目的に約30年前に発足。ものづくりの楽しさや奄美の伝統文化を次世代に伝えようと、会員の児童生徒を対象に工作や自然・文化体験などの講習会を月1回程度実施している。 新元さんは得意の島唄漫談を交えつつ、「島唄は同じ曲でも時代や地域、場面によってさまざまな歌詞や節回しで歌われている」と解説。参加者は一つの曲に即興でさまざまな歌詞を付けて数人で歌を掛け合う奄美の「唄遊び」にならい、現代語で島唄の新しい歌詞作りに挑戦した。 児童らは「鹿児島の温泉に行きたい」「サッカーの試合で勝ちたい」「漫画を読むのが好き」などと、曲に乗せて自由に気持ちを表現。「山で金ハブを見てみたい」という内容の歌には「毒があるから気を付けて」「ハブは山の守り神」「怖いけど見られるといいね」などの返歌がついて盛り上がった。 母親と一緒に参加した名瀬小学校の児童は「歌を作るのはちょっと難しかったけど面白かった」と笑顔。ハブの歌に対して「(僕は)海でクジラみたいな大きな魚に合いたい」と返し、楽しみながら地域の文化を体感していた。
奄美の南海日日新聞