イライラ、ネガティブとどう付き合う? 精神科医・樺沢紫苑さんが教える、健やかなメンタル
不安の原因は睡眠不足かも?
野上:今、感情をリセットしたい、ムカムカしているなっていう人がいたら、「まず寝ろ」と。 樺沢:睡眠時間が6時間以下の人は……どうしようもないですね(笑)。どうしようもないというかイライラしたり、不安が湧き上がってきたり、いつも心配なことを考えてしまう。睡眠6時間以内の人だとそうなるのが当然なんですよ。それが脳の仕組みなんですね。 睡眠が足りていないこと自体が脳にとって危険な状態で、不安がバンバン出やすくなる。私は7時間以上の睡眠、できれば7時間半を推奨しています。 6時間以下は明らかに睡眠不足です。そういう人はイライラしたり、感情が暴走したり、怒りっぽくなったり、といった問題が日常的に出てきてしまう。だからそういう人はまず、7時間以上寝るようにしてほしいですね。 野上:まずは大前提、睡眠を十分にとっていただいて。それでもやはり、日々いろんなネガティブな感情とか悩みとかが起こると思うんです。この「嫌」とか「嫌い」っていう感情は、精神科医の樺沢先生から見てどういうふうに分析されているんですか? 樺沢:基本的に人間の「好き」「嫌い」、「安全」「危険」というのは脳の扁桃体が判断してるんですね。ボールがポンと飛んできたら「危ない!」って避けるじゃないですか。そういうときも、扁桃体が「危険」を瞬時に判断しているんです。 これが脳が疲れてると、暴走してすぐイエローカードをバンバン出すような状態になってしまうんです。基本的に好き嫌いが激しい人は、そもそも脳が疲れているのではないかと思いますね。
ネガティブな気持ち、どう付き合う?
野上:体も脳も疲れてしまっていると、今度はイエローカード連発で、身の回りの人が全部危険!となってしまうんですね。 樺沢:そのときに使えるちょっとしたテクニックがあります。要するに、扁桃体が暴走すると0か100かで物事を見てしまいやすくなるんですね。なので、「今の自分の長所は何点かな?」って100点満点で評価してみてください。多くの人が自分の調子を「よい」か「悪い」かでしか考えないんですね。