日本ハムの長距離砲に他球団が熱視線…「今オフに争奪戦」可能性が
キューバから中日に育成契約
ここで心が折れるほどやわな選手ではない。今まで幾度も試練を乗り越えてきた。大きな覚悟を持ってキューバから中日に育成契約で入団したのが18年3月。21歳の時だった。週刊ベースボールのインタビューでこう振り返っている。 「キューバの若い選手は世界各国でプロになりたいという思いが強い。アメリカにはなかなか行ける状況ではないから、日本を含めたアジアでね。中にはキューバという国を捨ててアメリカに行く仲間もいたけど、自分はそういうことはしたくなかった。キューバという国が大好きだし、国を捨てることなどできないからね。そんなときにドラゴンズからオファーがあったんだ。迷わなかった。すぐに飛びついた。オファーがあればすぐに決断しなければならない。チャンスがあれば行こう、行きたいとは思っていたしね。ただ実際、日本のことをもっと知っていたら、いろいろと考えたかもしれない」 「あまり深く考えていなかったということだね。実際に日本に来てみて、キューバとの距離、言葉の壁、生活や文化の違いに戸惑った。家族と離れて過ごすことは、とても寂しいことだった……そういうことが分かっていれば、もっと悩んだかもしれないということだ。ただ最初は苦労したけどすぐに慣れたよ。同じ歳のライデル(ライデル・マルティネス)がいてくれたのは大きかった」 他球団の編成担当は、「各球団で助っ人外国人がなかなか活躍できない中、マルティネスは日本で実績がある。戦力として計算できるのは大きい。今オフは獲得に興味を示す球団が当然出てくるでしょう」と高い評価を口にする。 シーズンは残り30試合を切った。パリーグの優勝争いを盛り上げるためにも、マルティネスの打棒爆発に期待したい。 写真=BBM
週刊ベースボール