上白石萌歌、24歳の決意。「形を選ばず自分が面白いと思ったことは全部やっていきたい」
── 今後も面白い出会いがあれば、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい? 上白石 もちろんです。表現のお仕事をすると共に、クリエイティブなことを常にやっていたいという気持ちがあって。歌もそのひとつですが、これからも形を選ばず、自分が面白いと思ったことは全部やっていきたいんです。今、誰もが肩書などにとらわれず表現をしていける、ボーダーレスな時代になってきていると感じています。マルチでやりたいと思ったことはないですが、目の前にある面白いことはずっとやっていけたらいいなと思っています。 ── 忙しい日々の中で、息抜きはできていますか。 上白石 映画や演劇を観るとか、美術館に足を運ぶとか、結局息抜きもエンタメです(笑)。エンタメで凹み、その凹みを埋めてくれるのもエンタメ。私は本当に表現が好きなんだなと最近とても実感しています。日々のアンテナがダイレクトに自分のお仕事につながっていると思うので、なるべく気になる展示とか演劇には足を運んでいます。クリエイティブな仲間がたくさんいるのですが、「みんなで楽しいことができたらいいよね」って話し合う、そういう刺激も安らぎの時間です。
人生、ネガティブな気持ちに覆われたらもったいない
── お話を伺っていて、とてもパワフルで前向きな考え方をされると感じたのですが、それは意識的に? 上白石 はい。もともと私は凄くネガティブな方なんです。作品に入る前などは「どうして自分なんだろう」とか、「どうしよう、このプレッシャーを背負いきれない気がする」とか思いがちなんですが、そういう時に母親とか姉がかけてくれる言葉がとてもポジティブでありがたくて。その言葉をきっかけに「せっかく頭はひとつだけなのに、ネガティブな気持ちに覆われたらもったいない」と思い、ポジティブに変換できるよう心がけています。 例えば、その瞬間は凄く苦しかったけれど、振り返れば良い経験だったと感じることはありますよね。生活や人生ってその連続だと思うので、振り返った時にいつかは良く思えるだろうということだけを信じてやっています。 ── そんな上白石さんにとって、カッコいい大人はどんな人ですか? 上白石 今パッと浮かんだのは『魔女の宅急便』を書かれた角野栄子さん。ご縁があって何度かお話をさせていただいたことがあるんですが、カラフルな服を着て、カラフルなお家に住んでいる、まさしく魔女みたいな、魔法使いみたいな方なんです。 大人になるって、例えばちゃんと空気を読むとか間違えたことを言わないとか、そういうイメージだったけど、角野さんは子供みたいで、自由な方で。父はよく「ちゃんと遊べよ」と言うんですが、ちゃんと楽しい遊び方を知っている人は素敵です。私もそういう大人になりたいなって思っています。