天皇陛下と雅子さまオックスフォードの地へ 愛子さま「社会人留学の可能性」と「キングズ・イングリッシュ習得」への期待
戦後、昭和の時代にオックスフォード大との本格的なつながりが始まる。 1968年に三笠宮崇仁さまの長男寛仁さまが、学習院大学を卒業後にオックスフォード大学モードリン・カレッジに留学。 秋篠宮さまは88年から2年間、オックスフォード大学大学院のジョーンズ・カレッジに留学された。学位の習得を目的としないビジティング・スチューデントとして、動物学を学ばれている。 実は、秋篠宮さまと同じ時期に、オックスフォード大のキャンパスにいらっしゃったのが、結婚前の「小和田雅子さん」だ。 皇后雅子さまは、米ハーバード大学経済学部を卒業した後、東京大学を中退。外務省時代の88年から90年までオックスフォード大学ベイリオル・カレッジで国際関係論を学んだ。 平成に入ってからは、現在も日本美術の研究者として活躍する寛仁さまの長女、彬子さまが、オックスフォード大に留学している。学習院大学を卒業後、2004年からマートン・カレッジで日本美術を研究。英語で300ページの論文を書き上げ、10年に女性皇族では初めての博士号を取得した。 なお、オックスフォード大以外にも、英国の大学などへの留学を経験した皇族は少なくない。 高円宮妃の久子さまは、英国の高校を経て、ケンブリッジ大学ガートン・カレッジを卒業。通訳としての経験もお持ちだ。 寛仁親王妃の信子さまは、英国のロスリンハウス・カレッジを卒業。高円宮家の長女、承子さまはエディンバラ大学に留学している。 秋篠宮家の長女、小室眞子さんは、国際基督教大学(ICU)に在学中に、承子さまと同じエディンバラ大学へ、ICUを卒業後にはレスター大学の大学院へ留学。次女の佳子さまもICU在学中に1年間、リーズ大で舞台芸術の歴史や理論、心理学などを幅広く学ばれている。
■愛子さまは就職後の留学の機会も 「皇族が英国で学ぶメリットは大きい」 平成の天皇の侍従として皇室に仕え、駐英公使として英国での勤務経験もある多賀敏行・中京大客員教授は、そう話す。 多くの皇族方が英国で学んだ昭和から平成にかけての時期、世界の王室における英王室の影響力は今よりも強く、その重要性は現在も変わらないという。 「天皇や皇族方が、英国王室とのパイプを築くと同時に、各国の王室との親善の場で格調が高い英国英語であるキングス・イングリッシュをお使いになれるかどうかは、今でも重要であると思います」 両陛下の長女、愛子さまも、学習院大学に卒業後の英国留学が有力視されていたが、日本赤十字社の嘱託職員として社会人生活をスタートさせた。 天皇陛下の知人で、愛子さまを小さなころから知る人物は、こう話す。 「お母さまである皇后雅子さまのように、社会人を経験して目的をより明確にした後に、海外の大学で学ぶ機会もあるでしょう。まだまだ可能性に満ちたご年齢ですから、ご自身がよいと思う時期に留学を選択なさるのも、深い学びにつながることと思います」 いつか天皇陛下と雅子さま、そして愛子さまの3人で、オックスフォードの地を訪れる日が来るかもしれない。 (AERA dot.編集部・永井貴子)
永井貴子