「将来の大砲候補」と言われた21歳外野手、東北に感謝を込め未来のプロ野球選手育成へ【プロ野球12球団去る人】
楽天から戦力外通告を受けた育成の大河原翔外野手(21)は楽天アカデミーコーチに転身し、未来のプロ野球選手育成に携わる。 東海大山形高校時代は通算31本塁打を放ち、将来の大砲候補として期待されていた21歳がバットを置く。2021年育成ドラフト3位で楽天に入団。しかし3年間で支配下に昇格できず、今オフに戦力外を通告された。「自分もまだ21歳。戦力外を受けた時は社会人野球なども探したんですけど…」。プロ野球に限らず現役続行の道も模索した。 それでも、球団から通告を受けた時に「『来年も一緒に仕事しないか?』と打診を受けて、恩返しというか、楽天で力になれれば」。簡単な決断ではなかったが「(野球選手の)キャリアが終わったらやってみたかった」と指導者に転身する。 アカデミーコーチは東北6県をまわり、小中学生を中心に野球の楽しさや技術指導を行う。大河原は選手は引退したが、高校から6年間過ごした“地元”で再スタートを切る。「仕事で山形に行くこともあると思う。東北に何かを残すことができたら」。新たな人生をスタートさせ、お世話になった地域で野球人気を高めていく。(太田 和樹) ◆大河原 翔(おおかわら・しょう)2003年8月17日、千葉県生まれ。21歳。東海大山形では甲子園出場なし。2021年育成ドラフト3位で楽天に入団も支配下昇格ならず1軍出場はなし。183センチ95キロ、右投右打。
報知新聞社