本場・北米で修業、バリスタのコーヒーいかが 地域内外の交流 久野さん、磐田にUターン出店
磐田市中心部のジュビロードにこのほど、こだわりの豆でいれた高品質なコーヒーを提供する「coffee echoU(コーヒーエコウ)」がオープンした。本場・北米でバリスタの修業を積んだ地元出身の久野裕太郎さん(38)が「通りの店舗が減る流れに歯止めをかけ、人々の交流を生み出す場に」との思いでUターン出店した。 浜松学院大在学中に米国西海岸ワシントン州に語学留学し、コーヒーの魅力に引き込まれた。街の至る所にコーヒースタンドがあった。生活する人の傍らにいつもコーヒーがあり、店では交流や情報交換が盛ん。本場の文化に触れ「磐田にもこんな場所があれば」と思うようになった。 大学卒業後、コーヒーショップでのアルバイトを経て、カナダ西部バンクーバーの有名店で1年間修業した。その後、都内で焙煎(ばいせん)豆卸売事業に携わり、自信を持って提供できる豆に出合った。「このコーヒー豆を静岡で広げたい」。地元に戻ってイベントや店舗前で移動販売を始め、出店に備えた。 磐田商工会議所の支援で国の補助金を申請し、日本政策金融公庫と浜松いわた信用金庫の協調融資も受けて出店資金を調達。空き店舗を改修し、念願の自分の店を構えた。常時、厳選した5、6種類の豆を用意し、ハンドドリップしたコーヒーや好みにカスタムできるエスプレッソドリンクを提供する。本格的な味が評判を呼び、ラグビーの静岡ブルーレヴズの外国人選手も常連客になった。 水曜定休。久野さんは「地域内外の人が分け隔てなく交わり、刺激と人生の豊かさを得るきっかけになれば」と店を切り盛りする。自家製ソーセージのホットドッグを販売する「ワンハンドスタンド」の大石滉太さん(28)と軽トラック市に共同出店するなど、ジュビロード沿いの若手創業者と連携した周辺のにぎわいづくりにも意欲的だ。
静岡新聞社