細田守監督4年ぶり新作『果てしなきスカーレット』来年冬公開、米ソニーが全世界配給
細田守監督の4年ぶりの新作となる長編アニメーション映画『果てしなきスカーレット』の製作が23日、東宝のラインナップで発表された。併せて米ハリウッドメジャーのソニー・ピクチャーズが共同製作し、日本以外の全世界配給を手掛けることも決まった。 細田守監督4年ぶり新作『果てしなきスカーレット』来年冬公開、米ソニーが全世界配給 細田監督は2021年の前作『竜とそばかすの姫』がカンヌ映画祭に出品され、コロナ禍において自身最高の興行収入66億円を記録。これまでは3年おきの夏に新作を公開してきたが、「超大作で、アニメ表現の可能性を広げるために技術的な実験を繰り返すただでさえ大変な作業をしているので、その枠を越える必要があった」と4年以上をかけて制作にいそしんでいる。
新作は親子やきょうだい、家族のきずなをテーマに描いてきたこれまでとは一転、「さわやかな映画とは毛色が違うと感じると思う」とし、主人公スカーレットのビジュアルを披露。剣を腰に差した女性が、力強い視線で遠方を見つめている構図で「とある国の王女であるスカーレットは肌も汚れているし服もボロボロ。右上の現実ではないような厳しい混とんとした世界から、左側に希望の光を見ている感じ」と説明した。 発想の起点は「とある古典を、現代で語ればどうなるか」だったという。「アクションもあればロマンスもある。誰もが知っている古典をベースにした時空を超える冒険物語。楽しんでもらえるエンタメ、ワクワクする映画の魅力を表現できれば。スカーレットという名前もキーワードになっています」と意味深に話した。
さらに、スカーレットの旅に同行者がいることも公表。脚本を読んだソニーが「映画の全てを兼ね備えている壮大な物語」とほれ込み、共同製作を申し出て来年冬の日米同時期公開が決定。ソニーは欧州、中南米、日本以外のアジア、アフリカと全世界配給も担当する。 2026年のアカデミー賞の対象にもなるが、細田監督は「間に合うのかなあ」と自嘲気味な笑み。それでも、「これまで作る度にチャレンジを続けて積み上げてきた技術から、さらに高度なものを目指す新たな挑戦。世界中に関係のない人が一人もいない普遍的な物語なので、新鮮な驚きを感じてもらえると思っている」と自信ものぞかせた。 取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元