ロシアのキーウ攻撃で死傷者、ロシア・クルスクへのウクライナ攻撃で6人死亡
ウクライナとロシアの双方が20日、お互いによる攻撃で死傷者が出たと発表した。ウクライナによると、首都キーウへの攻撃で少なくとも1人が死亡し9人が負傷した。ロシアによると、西部クルスク州へのウクライナの攻撃で子供1人を含む6人が殺害された。キーウ攻撃の後に、クルスク州攻撃があったもよう。 ロシア・クルスク州のアレクサンデル・ヒンシュタイン知事代行は、現地時間午後3時半にリルスクの町が攻撃され、6人が死亡したほか、数人が病院に運ばれたと述べた。この攻撃で文化センター、フィットネス複合施設、学校、住宅が損傷したという。 ウクライナ軍は8月にクルスク州に侵入し、今もその一部を掌握している。 ウクライナ外務省によると、この攻撃に先立ちロシアがキーウを攻撃。アルバニア、アルゼンチン、北マケドニア、パレスチナ、ポルトガル、モンテネグロの大使館に影響が出たという。各国の大使館が入る建物が直接の標的だったかどうかは不明。 ウクライナ軍によると、この攻撃で少なくとも1人が死亡し、9人が負傷した。市内の複数の建物が損傷を受けたが、外交官が負傷したとの報告はない。 キーウのペチェルスキー地区で撮影されたものと確認済みの動画には、首都で2番目に古いカトリック教会の聖ニコラス聖堂で、ステンドグラスの窓が割れている様子が映っている。近くで起きた爆発による被害とみられる。 ウクライナ軍は、ロシアが夜間に全国で65機のドローンとミサイルを発射したと発表。そのほとんどを撃墜したという。 キーウ在住の男性は、自分が経営するレストランが攻撃で大きな被害を受けたと言い、焼け焦げた建物を見ながらロシア人を「けだもの」と罵倒。この様子を映した動画は、ソーシャルメディアで広く共有された。 同じくキーウ在住のオクサナさんがBBCに送った写真には、破壊されたアパートが写っている。窓が吹き飛ばされ、ガラスやれんがが床に散乱している。 「自分がどうやって生き延びたのか、分からない」と、オクサナさんは言った。 「バルコニーが飛んでいった。壁の半分がなくなった。隣人はショックで話すこともできない。このようなことをした人間に対して、何を言ったらいいのか。言葉が見つからない」 現場にいた地元のジャーナリストは、近くの建物の一つがウクライナ保安庁(SBU)によって使用されていたため、それが攻撃の標的になった可能性が高いとBBCに話した。しかし、BBCが確認した被害の多くは、集合住宅の建物に対するものだった。 ロシア国防省は声明で、2日前にロシアのロストフ地域の化学工場への攻撃に応じて、SBUの「指揮所」にミサイルを発射したと発表した。 しかし、ウクライナでは20日の首都攻撃について、モスクワで17日朝にロシア軍のイーゴリ・キリロフ中将が殺害された事件との関係を指摘する声も出ている。 20日のキーウ攻撃の前日19日には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が恒例の年末記者会見で、ウクライナの首都に対してこれまで以上に弾道ミサイルを発射すると発言していた。 ウクライナでは、ロシアが中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を使用してキーウを攻撃するかもしれないという懸念がある。ロシア軍は11月下旬、ウクライナ東部ドニプロに対して、このミサイルを試射した。 ウクライナ当局は20日早朝、「オレシュニク」発射の可能性があると空襲警報を発し、キーウ住民に避難を呼びかけたが、このミサイル発射はなかった。 (英語記事 Six killed in strike on Russia's Kursk after deadly missile attack on Kyiv )
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