大分舞鶴の「分析班」リーダーは偏差値70超え 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会に21世紀枠で初出場の大分舞鶴。19日の開幕試合で、センバツ優勝経験のある強豪・浦和学院(埼玉)と対戦する。重圧のかかる「初陣」だが、頼もしいサポートを受ける。偏差値70超えの頭脳派野球部員が率いる「分析班」による相手の研究だ。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター 「なんとなくつかんできました。自分たちがいつも通りの野球をできれば勝てなくはないですね」。自信ありげに語るのは大分舞鶴の高柳直輝(3年)。動画サイトなどから集めた浦和学院の試合映像をチェックし、相手の弱点や自分たちの長所を生かせる部分を探ってきた。チームが関西入りしてからは他の3人の部員と「分析班」として宿舎にこもり、研究を重ねた。 県内有数の県立進学校で文武両道を掲げる大分舞鶴にあって、高柳の学習成績は突出している。模試の偏差値は70を超え、学内の期末考査は文系で学年トップ。その頭脳を野球部でも発揮している。 甲子園でのベンチ入りは逃したが、昨秋の大分大会と九州大会ではベンチ入りした。分析力が最も発揮されたのが、大分大会準決勝の大分西戦。事前の相手投手の映像研究で「右打者は内角直球、左打者は外角の変化球が多かったんです」。配球パターンを見抜き、ミーティングで選手に伝えると、16―3の大勝。九州大会進出を決める勝利に貢献した。 ベンチからも目を光らせた。大島(鹿児島)との九州大会1回戦は「相手捕手の記憶力が良くて、前の打席で打ち取られた球種で攻めてきた印象がありました。それを徹底して狙っていこうと、伝えました」。リードされていた終盤の八、九回に適時打が出て引き分けに持ち込んだ。惜しくも再試合で敗れはしたものの、準優勝した大島との熱戦の裏には高柳の「眼力」があった。主将の甲斐京司朗(3年)は「分析はたくさん的中しました。甲子園でも信じて戦います」と話す。 もちろん、高柳も内野のレギュラーを狙う一人だ。一方で、「自分の分析で選手が納得して、それで結果が出るとうれしい」と相手研究にやりがいも感じている。選手と分析の「二刀流」に全力を尽くす。甲子園のグラウンドで戦うチームメートにエールを送る。 「人数が少ないということもありますが、みんなが分け隔てなく話すことができ、いつも仲が良く、ベンチ外でも支えたくなるチームです。勝利に向けて自分たちが行った分析で、うまく動いてくれたらいいなと思います」【吉見裕都】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。