巨人大物OBが”低迷”巨人の責任を原監督に問う「3年契約の2年を残す中で彼自身がどんな判断を下すのか」
広岡氏は「巨人に浮上の目はない」と断言する。 「投打のすべてにおいて希望の灯りが見えてこない。まず先発に軸がいない。菅野は技術でなんとかしているが、絶対的な力はなくなっている。1、2年目の若い投手を先発に抜擢してきたが無理があった。中継ぎはさらに“ダーダー“の状態。1、2軍の入れ替えもうまくいっておらずブルペンが疲弊してしまっている。大勢だけでは苦しい。また大城のリードの悪さも目につく。コーチはいったい何を教えているのか」 チーム防御率4.09はリーグ最下位。戸郷が1人9勝4敗、防御率2.92と奮闘しているが、原監督が開幕から先発チャンスを与えた赤星は3勝4敗、山崎伊織は2勝3敗、堀田は先発5試合で1勝2敗に留まっている。 打線も点が取れない。チーム本塁打数はリーグ2位の110本あるが、チーム打率.246は5位。3割打者は1人もおらず、打撃10傑に食い込んでいるのは.293の吉川1人だけだ。 「打線が固定できない。坂本は、今なお守備範囲は広く、素材としても素晴らしいが、あれだけ怪我が増えてくると限界なのかと思ってしまう。試合に出続けられない選手はリーダーにはなれない。中山をポスト坂本として育てようとしているがショートというポジションは時間がかかるものだ。岡本はヤクルトの村上に大きく離されてしまった。迫力がないのだ」 今季の坂本は故障で2度戦線離脱した。 さらに広岡氏は「まだ若手が育っていれば楽しみがある。新庄が率いる日ハムは弱いが、松本剛、清宮、万波、野村といった個性のある若手が出てきている。巨人は個性のある選手が育ってこない」と問題点を指摘した。 そして広岡氏は原監督の続投問題について、こう言及した。 「このまま終わるようであれば原は責任を取って辞めるべきだ。中田翔を獲得したり、GM的に差配しているのだからなおさら責任は重い。3年契約を2年も残す中で、球団が辞めろとは言わないだろうが、原自身がどう考え、どんな決断を下すのかに私は注目している。ただ今のチーム状態のまま次に誰にバトンタッチしても同じ。捕手出身の阿部慎之助への期待はあるが、このタイミングで交代しても何も変わらない。では、このまま恥ずかしい成績で終わったとすれば誰が責任を取るのか。若手が育ってこないのは、ドラフトの失敗であり、コーチ陣の問題なのだ。チーム再建について根本的に見直さねばならない時期にある」 残り47試合。巨人の逆襲はあるのか。広岡氏の過激な意見は、巨人の奮起に期待するがゆえの檄だ。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)