【Playback箱根駅伝】第76回/駒大 悲願の初優勝 34回連続出場、2年連続2位の悔しさ晴らす
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第76回箱根駅伝総合成績をチェック
第76回(2000年/平成12年) 中大が1996年以来のトップ3 帝京大が初シードの4位
20世紀最後の箱根駅伝は連覇を目指す順大、2年連続準Vの駒大、出雲・全日本の両駅伝で2位に入った山梨学大、上位10人の持ちタイムで上位につけていた神奈川大と中大の“5強”による優勝争いが予想された第76回大会。 前回出場校の中央学大が予選会で姿を消した一方で、関東学院大が2年ぶりに本戦へ返り咲いた。また、今大会から5区と6区のコースに変更があり、区間記録が刷新された。 1区は法大の徳本一善(2年)がスタート直後に飛び出すと、そのままリードを広げて区間賞を獲得。2位以下に1分以上の大差をつけると、2区の坪田智夫(4年)も区間トップの快走で、“オレンジエクスプレス”の愛称を持つ法大が抜群のスタートダッシュに成功した。 2区終了時点の順位は、法大から1分40秒差の2位で順大、ほぼ同着で駒大が3位。優勝候補に挙げられた神奈川大、中大、山梨学大はそれぞれ6位、9位、10位とやや出遅れた。 3区でも法大が首位をキープ。後続では帝京大の北島吉章(2年)が区間賞の走りで2位に浮上し、2区終了時で11位だった東海大も伊藤孝志(3年)の6人抜きで5位に躍り出た。 先頭争いに動きがあったのが4区。帝京大が法大を抜いて先頭に躍り出ると、その帝京大を順大の野口英盛(2年)が追い抜いて首位に浮上。2位に帝京大、3位駒大、4位法大、5位早大の順番で5区走者にタスキをつないだ。 山上りの5区では駒大の1年生・松下龍治が帝京大、順大を交わして先頭へ。そのまま独走かと思われたが、後方から前回区間賞の東海大・柴田真一(2年)が猛烈な勢いで迫っていく。14km過ぎで柴田が松下を捕らえたが、17km過ぎで松下が再逆転に成功。そのまま芦ノ湖のフィニッシュに飛び込み、見事往路2連覇を飾った。 5区の区間賞は柴田と、中大のルーキー・藤原正和が同時受賞。東海大は6位から2位へ、中大は8位から4位までジャンプアップ。一方で山梨学大は12位、神奈川大は13位まで沈み、優勝争いから脱落した。 往路を制した駒大は、復路でさらなる強さを見せつけた。6区の大西雄三(4年)が区間2位の好走で後続との差を広げると、7区の揖斐祐治(2年)が区間賞。9区の西田隆維(4年)、10区の高橋正仁(2年)も区間新。6区以降は一度も先頭を譲ることなく、往路・復路完全制覇で悲願の初優勝を飾った。 8区・奥田真一郎(2年)の区間賞などで意地を見せた前回王者の順大が2位。5区と6区で大きく順位を上げた中大が優勝した1996年以来となるトップ3に食い込んだ。2年連続最下位(15位)だった帝京大は往路で3位に入った勢いを持続させて過去最高順位の4位。予選会トップ通過の実力を発揮し、出場3回目にして初めてシード権を獲得した。 エースの山本佑樹(4年)をケガで欠いた日大は序盤で大きく出遅れたものの、総合5位で名門の底力を見せた。熾烈を極めたシード権争いは山梨学大が10区で2人を抜いてギリギリ9位を確保。往路序盤を盛り上げた法大がわずか29秒差で10位に泣き、9区終了時で8位だった大東大も10区で4つ順位を落とした。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部