H3ロケット3号機 7月1日に打ち上げ延期「だいち4号」開発にかける鹿児島出身JAXA職員の思い
南日本放送
日本の新たな主力ロケットH3・3号機です。30日、種子島で打ち上げられる予定でしたが、天候不良で7月1日に延期になりました。種子島宇宙センターに坂元キャスターがいます。 H3ロケット3号機は、後ろに見える発射台から、30日打ち上げ予定でしたが、雷や強風が予想されるため、7月1日に延期となりました。 H3・3号機には、災害や火山活動を観測する衛星「だいち4号」が搭載されます。 「だいち4号」は、能登半島地震の被災状況の把握にも役立てられた「だいち2号」の後継機で、地殻変動などを数センチ単位の高い精度で観測できます。 だいち4号を載せたH3・3号機の新たな打ち上げ日時は、7月1日午後0時6分42秒から、午後0時19分34秒までの間です。 だいち4号の開発プロジェクトを率いるのが、JAXA=宇宙航空研究開発機構の鹿児島市出身の職員です。開発期間7年。衛星にかけた思いを取材しました。 (だいち4号 有川善久プロジェクトマネージャ)「桜島の雄大な景色を見ると、帰って来たなとパワーがもらえる」 鹿児島市出身のJAXA職員、有川善久さん(46)。開発期間7年、開発費320億円にのぼる、だいち4号の開発プロジェクトで中核を担う、プロジェクトマネージャを務めています。 有川さんは鶴丸高校出身で、東京の大学を出て2002年、JAXAに就職。2019年に「だいち2号」の開発に携わり、2022年、今回の「だいち4号」のプロジェクトマネージャに就きました。 (だいち4号 有川善久プロジェクトマネージャ)「これまでやったことがない、作ったことがないものを作ろうとしているので、トラブルがつきもの。チームのみんなとメーカーの技術力と一緒に協力して壁を乗り越えてきた」 小学生から野球に打ち込み、中学と大学でキャプテンも務めた有川さん。この経験が、今のプロジェクトマネージャの仕事に生きているといいます。 (だいち4号 有川善久プロジェクトマネージャ)「中学の時はキャッチャーで盗塁を刺すときにガチガチでセカンドに届かなかった」「(大学では)セカンドに8割の力で投げるとショートが手を伸ばしてアウトにしてくれる、自分一人で頑張らなくて良いものだと大学の時に気がついた。そこから楽になった。キャプテンでも助けてもらって良いと思えたことが、今にいきている」