「考えたことのない発想ばかりで新鮮です」甲子園を知る名将が就任した新生・明星の夏に注目
この夏の西東京大会で注目したい一校が、明星だ。この春から、国士舘で指揮を執っていた永田昌弘氏が監督に就任した。国士舘といえば、2018、2019年の秋季東京都大会で優勝。過去にはセンバツベスト4を2回経験。その永田監督が明星に就任して、初めて迎える夏となる。 【トーナメント表】夏の西東京大会 組み合わせ
前任校から大きく変わった練習環境
2023年に学校の経営母体である明星学苑が創立100周年を迎えたことを受けて、学校の改革の1つとして永田監督を招へいした。 これまで指導してきた国士舘とは練習環境が大きく異なる点について、永田監督は、 「練習は16時頃から始まって、19時には下校しないといけません。時期によっては20時半まで練習できる時もありますけど、最初はサッカー部とグラウンドを共用します。ですので、全面を使って練習できる時間は限られています」
確かに取材日は、最初はサッカー部が外野の一部を使っていた。そのため外野ノックは一ヶ所に集めて、永田監督自ら打って選手たちを指導。頃合いを見てバッティング練習に切り替えたが、それでも全員が同じ練習を同時にやるには厳しい。 「主力組が今日はやりましたけど、控え組は明日グラウンドを使います」(永田監督) と主力組が練習試合で遠征に行く日を利用するなどして工夫を図っている。 指導者もコーチ陣を含めて少数のため、永田監督が汗を流して選手たちの指導にあたる。身振り手振りを交えつつ、厳しい声をかけながら選手たちを鍛えていた。
勝ち方を知る名将が伝える、強者の心と体
主将・大澤健人が、「結構、厳しいです」といいながらも、永田監督の指導に食らいつく。そんな永田監督にはこのような思いがある。 「国士舘の時は、最終的にプロで頑張りたい選手など、上のステージも意識した選手たちがいました。その人数に違いがあるので、戦うための気持ちだったり、そのために必要な声が欲しいんですよね。そもそも野球って極端な話、併殺とか補殺とかって記録するようにやるか。それともやられるかくらいのスポーツですから、声が出ていないとか、そこから指導するというのは、国士舘の時よりは物足りないと感じます。伝え方を工夫しながらですが指導していますけど難しいですね」