日本がアジアで最も暑い? 北緯30度以北の異常 高気圧“重ねがけ”状態
世界各国の観測データを収集する気象庁のサイト「Climat View」によると、アジアの中で日本の高温ぶりが際立っている。国内257の観測点で35度以上を記録した23日、インドネシアのジャカルタなど赤道付近にある国の首都よりも東京の方が暑かった。秋にかけて北緯30度付近から北方の東アジアで同様の酷暑が続く恐れがあり、同庁は、熱中症対策や農作物の高温対策の長期化を指摘する。 温帯の本州は例年のこの時期、亜熱帯の那覇より気温が低いが、今年は同等以上の暑さが続く。23日は千葉県市原市が全国で最高の39度となった他、山梨県甲州市で38・9度、東京(八王子)でも36・6度を観測した。 日本では7月1日以降、連日猛暑日が観測される異例の事態となる中、東アジアの他の国でも23日、最高気温が中国の上海で38・5度、北京35・9度、韓国のソウルで27・3度などと平年を大きく上回った。 これに対し、熱帯の東南アジアでは同日、乾季のインドネシア・ジャカルタで32・2度、ミャンマー・ヤンゴン28・5度、雨季のフィリピン・マニラ近郊のケソンシティ28・2度、タイ・バンコク33・9度と、平年並みかやや上回る状況だった。 気象庁によると、東アジアで気温が高くなっているのは、例年は中国中央部にあるチベット高気圧が、フィリピン付近の海面水温の上昇で北寄りとなり、朝鮮半島南端の北緯35度付近まで張り出しているため。これに東からの太平洋高気圧も加わり、日本付近は“布団の重ねがけ”状態となっている。 さらに、アジアでは海面水温が上昇して地域全体の気温を高めており、日本では、例年なら沖縄近海に相当する海面水温が太平洋側の沿岸部にまで到達している。同庁は、日本近海の海面水温の高温傾向や高気圧の張り出しは秋まで継続するとみる。(佐野太一)
日本農業新聞