愛沢えみり「高校の卒業式のあとバッグひとつで」家出同然の上京から歌舞伎町No.1キャバ嬢の座を掴んだ知られざる努力「必要なことを逆算してノートに書いて」
── そこから一気に人気になりますね。 愛沢さん:いいお店と、いい担当の方に出会えたおかげなのですが、3か月で店のNo.1になれました。お店のロッカーにも張り出されて、1番という数字がすごく嬉しくて。1番っていいな、ずっと1番でいたいなという気持ちがそこで初めて生まれました。歌舞伎町に来た頃はNo.1になりたいという気持ちはまったくなくて。店で1番になったがために、その素晴らしさを知りました。 ── No.1で居続けるプレッシャーはありませんでしたか。
愛沢さん:1番になったのはたまたまだったので、そこからキープをするのはすごく大変でした。最初のお店には1年間お世話になるのですが、1年間ずっとNo.1でいると、もうそれ以外考えられなくなってしまって。1番ではないなら、自分の価値がないという考えになっていたと思います。でもそのあと、歌舞伎町でNo.1になりたいという目標が生まれて、仕事に対する向上心が芽生えました。プレッシャーや自分との戦いはもちろんありましたけど、それも活力になっていたと思います。
── 具体的にどんな努力をされていたんですか。 愛沢さん:私は、No.1で居続けるために必要なことをノートにたくさん書いていました。例えば、売上ならこのくらい、そのためには1日にこのくらいお客様を呼んで、どんなことをするかというのを逆算して書くんです。お酒が弱く、お酒は飲まないと決めていたので、土日もお客様と1時間おきにお茶をして。自分の見せ方やブランディングというものも考えながら、お客様のために何をすべきかを常に考えていました。ノートに書く習慣は今も続いています。
── 現在は起業して経営者としての立場ですが、ビジネスにも繋がるところがありそうですね。 愛沢さん:キャバ嬢をしていて良かったと思うことですが、当時は自分を売ることを客観的に見ていたと思います。そのあと、起業して物を売ることにもつながるのですが、状況は刻々と変わっていくので、「今、自分がしなくてはならないこと」を常に一歩引いた目で見ていく作業を繰り返していました。 学生の頃の私はまったく勉強をしてこなかったのですが、自分のしたいこととなるとこんなに真剣にノートを書いていたのが面白いですよね。勉強の仕方は色々あると思うのですが、当時の私はどう売上を上げるかがすべてで、思いつくことは全部やろうと思っていました。