JR両国駅に新施設オープン「相撲だけじゃない」墨田区の観光地化構想とは
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11月22日、すみだ北斎美術館が墨田区の津軽家上屋敷跡地に開館しました。その3日後の25日には、JR総武線の両国駅に併設した商業施設がリニューアルオープンを果たしています。同施設には、寿司・天ぷら・もんじゃ・甘味処・日本酒など、江戸情緒を感じさせる飲食店12店舗が出店しています。 錦糸町、嘉門達夫さんの「ぼったくりイヤイヤ音頭」が効果絶大、客引きの数が半減 両国駅は、電気街やメイドカフェなどで知られる街・秋葉原から総武線で2駅隣にあります。所要時間にして約5分しか離れていませんが、これまで両国は相撲の街としてクローズアップされることはあっても、それ以外で話題になることは少ないエリアでした。 そんな両国駅一帯が、ここにきて大きく変貌を遂げています。両国の街に何が起きているのでしょうか?
総武線快速電車運転が転機 隣の錦糸町駅に利用者移る
かつての両国駅は房総方面に向かう特急列車の始発駅にもなっており、東京における東の一大ターミナルとしてにぎわっていました。両国駅に大きな変化が訪れたのは、1972(昭和47)年。東京駅-錦糸町駅間で総武線の快速電車が運転されるようになり、一駅東隣の錦糸町駅の利用者が劇的に増えていきました。 錦糸町駅に快速電車が停車するようになって以降、錦糸町駅の周辺が発展するようになり、両国駅の地位は凋落していきました。時代とともに特急列車の運転本数も減り、5番線まであったホームは現在3番線まで減少。3番線も臨時列車のときだけ使用されるため、通常時は入り口が閉鎖されています。両国駅のにぎわいが減退するのに伴い、両国の街からも活気が失われていきました。
東京スカイツリー建設決定で墨田区に観光課が誕生
しかし、昨今は両国の街のにぎわいを取り戻そうと、観光地化が進んでいます。そうした街の変化に対して、墨田区産業観光部観光課の担当者は、こう話します。 「墨田区は江戸時代の下町としての街並みが残っているだけではなく、小さな町工場がひしめき合う伝統的なものづくりが盛んな街でした。加えて、江戸時代からの史跡も多く点在し、観光名所も多くあったのですが、それらの史跡を活かすことができていなかったのです。実際、それまで墨田区には観光課という部署もありませんでした。東京スカイツリーの建設が墨田区に決まると、墨田区は観光に力を入れるべく、観光課を新設。そこから、墨田区は観光資源を活かす取り組みを進めたのです」。