《三谷幸喜ドラマランキング》誰もが納得『古畑任三郎』が不動の1位!気になる2位以降の作品
日本ドラマ史に残る、ミステリー作品の傑作『古畑任三郎』。放送30周年を記念し、今年5月から関東ローカルで放映された再放送は昼の時間帯にもかかわらず高視聴率をキープ! 不動の人気ぶりを見せた。 【写真】『古畑任三郎』で田村正和さんが愛用した、黄金に輝くセリーヌの30万円自転車 主演を務めた田村正和さんの個性的な演技や、豪華なゲスト陣で注目を集めた同作は、脚本家・三谷幸喜の出世作。ご存じのとおり、その後三谷は次々とヒット作を連発。 また、最もチケットの取れない劇団として有名だった三谷幸喜主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」が30年ぶりに再結成し、新作『蒙古が襲来』が来年2月9日から3月2日まで、東京・渋谷のPARCO劇場で上演されることが決まっている。 三谷幸喜はいまや日本を代表する唯一無二の脚本家だ。今回、編集部では30代~60代男女500人に“最も好きな三谷作品”についてアンケートを実施。ランクインしたのは、はたして?
三谷幸喜ならではの斬新な設定が印象的
第5位は、'95年放送の『王様のレストラン』(フジテレビ系)。フレンチレストランを舞台に、九代目松本幸四郎(現・二代目松本白鸚)演じるギャルソン(給仕)や、筒井道隆演じるオーナー、山口智子演じる料理長らが繰り広げる人間ドラマが痛快だった。 「出演者が個性的で、つぶれそうなレストランをめぐる物語が見ていて楽しかった」(兵庫県・58歳・女性)と、女性を中心に評価が集まった。 「全11話がレストラン内のエピソードだけで完結し、登場人物が一度も外に出ない設定が斬新でした」 と話すのは、漫画家でドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。実は'22年に放送された、三谷脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)を見てから気づいたことがあるという。 「レストラン関係者の役名が、『鎌倉殿~』の歴史上の人物と同じなんです。鈴木京香さんが演じた三条政子は北条政子を、山口智子さんが演じた磯野しずかは静御前を想起させますし、ほかにも梶原、和田、稲毛、畠山など、武将と同じ名字の登場人物が続々と出てきます。30年前から、三谷さんが歴史好きだったことがよくわかります」(カトリーヌあやこさん、以下同) 『王様のレストラン』で菓子職人だった梶原善が、『鎌倉殿~』で狂気あふれる善児役を演じたのも興味深い。令和の今、もう一度見たくなる作品だ。 第4位は、'93年に織田裕二と石黒賢のW主演で放送された医療ドラマ『振り返れば奴がいる』(フジテレビ系)。 「三谷さんっぽくないシビアな作品だけど、熱い気持ちが伝わるドラマで面白かった」(埼玉県・54歳・女性)とあるように、三谷らしい喜劇色を排除した珍しい作品。三谷にとっては初の、ゴールデンタイムでの連ドラ作品となった。 「三谷さんの持ち味がコメディー要素にあることを当時のプロデューサーが知らず、シリアスな脚本に変更してしまったという逸話は有名。 とはいえ、主演の2人の複雑なキャラクターの描き方はさすが。単純な善と悪ではなく、その間を揺れ動く2人の様子が見事でした」 この作品で評価を得た三谷が、翌年に手がけ大ヒットしたのが『警部補・古畑任三郎』だ。 「『振り返れば奴がいる』で織田さん演じる主人公を刺殺した西村まさ彦さんが、『古畑~』に今泉慎太郎役で登場したり、天才外科医役だった鹿賀丈史さんが『古畑~』に犯人役として登場したりと、何かとつながりがあったのもうれしい演出でしたね」