【密着】40歳を超えて転職し、フランスでシャンパン醸造家になった息子に届ける両親の想い
妻がパリで働く平日は、2歳の息子の子育てに奮闘
1年前にパリからメゾンに近い小さな村に移り住み、今は妻の優子さん(41)、息子の檜(かい)くん(2)と3人暮らし。だが、フローリストの優子さんはパリを拠点に働いているため、平日は家で檜くんと2人きりで生活している。子育ては大変なことも多いが、亮さんは「自分のお母さんはめちゃめちゃ怖かったけど、愛情をかけてくれていたと思う。親になって初めて親の気持ちがわかりますね」と話す。 自分のやりたいことにまっすぐな生き方は、何でも自由にさせてくれた両親の影響が大きかったという。そんな亮さんが40歳を過ぎてシャンパン造りに挑む姿を見て、姉・香子さんは「バーテンダーのときの華奢な印象と全然違う」と変化に驚く。さらに、2歳の子どもと向き合う親としての息子に父・憲太郎さんは「立派ですね」と感心。「昔は怖かった」と言われた母・豊子さんは苦笑しながらも、子育ての大変さを懐かしんでいる様子だ。
自分のシャンパンを世界中に届けるため修業する息子へ、両親からの届け物は―
2週間に及ぶ収穫が終了したこの日、スタッフ一同と労をねぎらい、シャンパンで乾杯した亮さん。今後については、「第1ゴールは自分のシャンパンを造って親に飲ませること。そこまでは最低でもいきたい」と意気込む。そのためには少なくとも5年はかかる見通しだが、「自分の求めるレベルのシャンパンを造って、世界中のみなさんや、日本で待っていてくれる昔からのお客様の応援に応えたい」と並々ならぬ想いを明かす。 子育てに奮闘しながら、いつか自分が手掛けたシャンパンを世界中に届けるため修業する息子へ、両親からの届け物は、幼い亮さんが寝るときに父がよく読み聞かせていた絵本。亮さんはそんな思い出の絵本を手に取り、懐かしそうに眺めていたが、ふとあるページに目を止める。そこには「’84.8.19 パパ、ママ、亮で高島屋へ行き、帰りに駸々堂(しんしんどう)にて購入」という当時の両親のメモが書き込まれていた。それを見た瞬間、涙があふれ出し言葉を失う亮さん。実は、檜くんに毎月プレゼントしている絵本にも、両親が書いたものとそっくりなメモを記していたのだ。子どもへの気持ちが親と同じだったと知り、亮さんは感極まる。一方、「Le Champagne(ル シャンパーニュ) Ryo Ohashiをいただくまで生き続けるぞ!!」という両親からの手紙には笑顔を見せ、「シャンパンを届けられるように頑張ります」と決意を新たにするのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年12月22日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」