手取り15万円ですが、奨学金の返還が「400万円」で厳しいです。返還を猶予してもらうことはできるのでしょうか…?
奨学金を借りたタイミングでは将来的にどのくらいの年収を得られるかがわからないため、就職した後の収入によっては返還が厳しくなってしまうケースもあるでしょう。しかし、無理に奨学金返還を続けて日常生活が送れなくなるのでは本末転倒ともいえるため、日本学生支援機構には救済制度が用意されています。 本記事では、返還が厳しい際に利用できる救済制度について解説するので、気になる人は参考にしてみてください。
制度には主に2つの方法が存在している
日本学生支援機構が用意している救済制度には、減額返還制度と返還期限猶予制度の2つの方法があります。利用できるのは経済困難・失業・病気・災害などで月々の返還が困難になった場合であり、そのような状況であっても延滞せずに計画的に返還できるようにするのが目的です。 経済困難事由で活用するためには、それぞれに定められている収入などの基準を満たさなければいけません。収入などの基準については図表1を参考にしてみてください。 図表1
独立行政法人日本学生支援機構 減額返還・返還期限猶予リーフレットを基に作成 それぞれの条件を満たしていて返還が厳しいと感じている場合、返還延滞をしてしまう前に決められている手続きをするのがおすすめです。仮にすでに延滞している場合は延滞が解消されるまで減額返還制度は使えなくなるため、延滞しないように注意しましょう。 ■減額返還制度について 減額返還制度では月々の返還を1/2か1/3に減らせる制度ですが、1/2に減額した場合は返還期限が2倍になって、1/3に減額した場合は返還期限が3倍になります。注意点としては、利息を含む返還予定総額は変動しない点です。 また、申請については1年ごとに願出する必要があり、最長で5年分の返還金額を15年で返還することになります。 ■返還期限猶予制度について 返還期限猶予制度は月々の返還を先延ばしできる制度なので、先延ばしにしている間は返還が発生しません。こちらも同様に利息を含む返還予定総額は変わりません。申請については1年ごとに願出でき、申請を忘れてしまうと返還が再開される点は把握しておきましょう。 どちらの制度を利用しても返還予定総額に変わりはないため、まずは計画的な返還を継続することが推奨されます。つまり減額返還制度を先に利用して返還を続けながら、それでも返還が厳しい場合には無理せずに返還期限猶予制度を利用するという形です。