大谷翔平の復帰に見えたイチローと重なる覚悟と責任
大谷も日本ハム時代から、怪我が少なかったわけではない。メジャーに来てからも、4月下旬のヤンキース戦で一塁ベースを駆け抜けたときに左足首を捻挫し、次の先発を飛ばした。 その後は、右中指に出来たマメの影響で2度、途中降板。2度目の試合後には、すでに触れたように右ひじに張りを覚え、検査の結果、右ひじ側副靭帯の損傷が発覚するわけだが、怪我を避けることの難しさを開幕2か月で実感したに違いない。 しかし、だからこそ、こんな思いを新たにしたのかもしれない。 「(怪我で離脱すると)周りの人にも迷惑をかけますし、個人的にもゲームに出て行かないと自分の足りないところが見えてこないんじゃないかなと思う。けがをしてプラスになることはあるかもしれないですけど、基本的にはそんなことはないと思って予防しながらやっていくのがベスト」 3週間以上も離脱したことの悔しさがまた、そこに透けていた。 ただ、そんな一方で今回、二刀流のユニークな一面が見えたのも事実。もちろん程度にはよるが、靭帯を損傷した状態でも打撃は可能ーー。 二刀流は意外と、柔軟性があるのである。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)