食べ歩き「なごやめし博覧会」にも台湾系グルメブーム
名古屋を訪れる主な目的になるほど注目を集めている“なごやめし”。名古屋市内では、11月15日まで、なごやめしを食べ歩こうというイベント「なごやめし博覧会2015」が開催されている。今年で5回目を迎える同イベントでは、最近テレビなどでも紹介されている「台湾系グルメ」という新なごやめし台頭の傾向が見られる。
1か月以上にわたり300店舗以上で展開
なごやめし博覧会は、名古屋市内の飲食店が300店舗以上参加する回遊型のイベントだ。手羽先、みそかつ、ひつまぶしなど定番のなごやめしや、なごやめしをテーマにしたオリジナルメニューを各店が用意。博覧会用のチケットを利用すると、通常料金より割安でなごやめしを味わえたり、博覧会期間だけの限定メニューが楽しめたりといった魅了がある。 なごやめし博覧会実行委員会事務局の中山さんによると、「昨年の総料理提供数は約2万食」とのこと。1日に行われたオープニングイベントには、河村たかし名古屋市長をはじめ、名古屋おもてなし武将隊や、名古屋発のイケメンユニットBOYS AND MENもスペシャルサポーターとして登場するなど、街をあげてのグルメイベントとなっている。
新なごやめしを目指して各店が工夫
また、エントリーした創作メニューをイベント参加者が食べて投票する“新なごやめし総選挙”も行なわれている。今年は31店舗が参加しており、麺類やスイーツなどジャンルは幅広い。今年の参加メニューの特徴として、「台湾茶漬け」や「台湾あんかけスパ」、「台湾手羽先」といった台湾系グルメが多いことが挙げられる。 過去の総選挙でも、2013年に麺屋はなび高畑本店の「元祖台湾まぜそば」が準グランプリを受賞。台湾まぜそばの人気は不動のものとなり、高畑本店には長い行列が見られるほか、今年夏には東京進出も果たすなど、“新なごやめし”として定着した感がある。
台湾ラーメンから派生した台湾系グルメ
台湾系グルメの元となっているのが、名古屋市内にある台湾料理店「味仙」の台湾ラーメンだ。ミンチともやし、ニラの炒め物をのせた汁あり麺で、唐辛子をたっぷり使った激辛味が特徴。「味仙」を元祖として、現在では多くの店のメニューに台湾ラーメンが並んでいる。台湾ラーメンの味付けは、味噌と並んで名古屋人に愛される味として次第に定着。それにともない、ピリ辛の台湾ミンチを使った、さまざまな台湾系グルメが増えている。 “新なごやめし総選挙”にエントリーしている、あんかけ太郎 長者町店の「台湾あんかけスパ」もやはり、台湾ラーメンファンであるオーナーが考案したというメニュー。野菜を煮込んだコクのあるあんかけソースを、太めのスパゲッティにからめて食べるなごやめし“あんかけスパ”に、台湾テイストを取り入れている。 基本的にあんかけスパは具材に味付けをせず、あんの味で麺と具を味わうが、台湾あんかけスパは、唐辛子や豆板醤、ニンニクで味付けした台湾ミンチのうま味と、あんのおいしさをどちらも味わえるのが特徴だ。あんかけ太郎 長者町店店長の鷲澤さんによると、「中華系の味付けとあんかけのあんは意外と相性が良いが、辛さや味の濃さなどのバランスがとれているか、随時チェックしながら提供している」とのこと。 台湾系グルメについては、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で9月下旬に取り上げられたばかり。あんかけ太郎 長者町店の「台湾あんかけスパ」も紹介され、鷲澤さんによると「放送後は台湾あんかけスパの一日の注文が5倍程度に増えた」という。
県外からの観光客も多い「名古屋まつり」
なごやめし博覧会は11月15日まで開催中で17、18両日には、名古屋市内で「名古屋まつり」が行なわれる。市内中心部を郷土英傑行列が練り歩くなど大規模で、県外からの観光客も多く訪れるイベント。なごやめし博覧会もブースを出展するほか、名古屋おもてなし武将隊、BOYS AND MEN、チームしゃちほこなどによるなごやめし博覧会PRステージを予定している。 事務局の中山さんは「チケットを購入すると参加店舗の情報が載った冊子が渡されるので、それを店選びの参考にしてください。新なごやめし総選挙に投票すると、参加した人の中から抽選で航空券などが当たる企画もありますので、ぜひ投票を」と呼びかけている。