K-POPから考える“バレエコア”の流行とその先の“ポスト・バレエコア” 連載:ポップスター・トレンド考察
今回はK-POPを参照したが、それこそ日本国内でも、雑誌「LARME」のルーツ“ゆめかわいい”などは、確実に今のバレエコアに通じる概念だろう。だからこそ国内カルチャーとの親和性は高く、現在、ムーブメントは衣服を飛び越えてロマンチックなネイル、シニヨンをアレンジしたヘアスタイルといった範囲にまで影響を及ぼしてきている。ファッションだけではない、本格バレエ小説として恩田陸の「spring」が話題を集めていたり、本物のバレエダンサーが躍る映画「RED SHOES/レッド・シューズ」が公開されていたりと、多くのジャンルでバレエの魅力に人々が夢中になっている最中。現実世界が暗澹(たん)たるものになればなるほど、その反動としてファンタジーへの現実逃避が加速するのが世の常だが、バレエコアを通じた“夢へのひきこもり”は、今後さらなるバリエーションを生みながらまだまだ続いていきそうだ。実際、24-25年秋冬コレクションにて、「プラダ(PRADA)」はすでに「INSTINCTIVE ROMANCE(本能的なロマンス)」をテーマに全身薄ピンクリボンのルックにアプローチ。次の秋冬が到来する頃、K-POP勢は、バレエコアを如何なる方法で料理しているのだろう?