K-POPから考える“バレエコア”の流行とその先の“ポスト・バレエコア” 連載:ポップスター・トレンド考察
フェアリー系
いわゆるポスト・バレエコアのまず1つ目は、フェアリー系。NewJeansのスタイルをベースにした妖精のような世界観は、ILLIT(アイリット)が「Magnetic」で継承してみせた。同時期にARTMS(アルテミス)が「BIRTH」でロリータコーデを展開し話題になったが、ILLITもややロリータのテイストをミックスしているのが特徴的だ。
近未来系
2つ目は、近未来系。XG(エックスジー)が「PUPPET SHOW」で展開したフューチャリスティックなバレエコアは、今後誰かの手によってサイバーな要素とも掛け合わされ進化していくかもしれない。
ギャル系
3つ目は、ギャル系。VIVIZ(ビビジ)が「MANIAC」で試したスタイリングだが、辛めの衣装にバレエコア的なアイテムを引用し構成している。やや難易度の高いバランスだが、ギャルファッションとの接近は今後も避けては通れないはず。
スポーツ系
4つめは、スポーツ系。NiziU(ニジュー)「SWEET NONFICTION」が代表的だが、ジャージやスニーカーと合わせることで、ブロークコアとバレエコアが融合したようなスタイルを標榜。
メンズ系
そして5つ目は、メンズ系。キム・ジョーンズが「ディオール(DIOR)」の24-25年秋冬メンズ・コレクションで宇宙を舞台にバレエコア解釈を行ったが、K-POPにおいてはTOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)が「Light」のConcept Clipで『星の王子さま』をテーマにトライ。圧倒的に優雅なロマンティシズムを見せつけた。
韓国のファッションブランドも盛んにバレエコアを解釈しており、たとえばNewJeansが着用した「セリック(CERRIC)」やLE SSERAFIMが取り入れた「ヒッシュ(hish)」など、ウエアからヘアアクセまでさまざまなアイテムが注目されている。恐らく今後もポスト・バレエコアはますます拡大していくと思われるが、やはりこのスタイルは、虚構的で夢見るコンセプトの世界観に最もハマるように思う。バレエをモチーフにしたaespa (エスパ)の24年SEASON’S GREETINGは「Girls just want to have a dream!」というコピーが掲げられていたが、まさに「夢」というのが本来バレエコアの核にあるはず。