滋賀県の児童虐待が前年度667件増 過去最多なのは「相談体制の充実と啓発」が理由か
滋賀県はこのほど、2023年度に県内の子ども家庭相談センター(3カ所、児童相談所)と19市町に寄せられた児童虐待の相談件数が、前年度より8.4%(667件)多い計8568件に上り、過去最多となったと発表した。新規の相談は2596件で、前年度から25.2%(524件)増えた。相談体制の充実などから軽微なケースも含めて相談されるようになったことが要因という。 【写真】滋賀県庁 同センターへの相談は3093件、市町へは8547件で、連携して対応したケースは重複計上を省いた。虐待の種類別では、暴言を吐くなどの心理的虐待が3467件(40.5%)で最多。身体的虐待が2668件(31.1%)、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)が2357件(27.5%)、性的虐待が76件(0.9%)だった。配偶者への暴力を子どもが見る「面前DV」の警察からの通告が増えていることが、心理的虐待が多い理由という。 年齢別では小学生以下が72.2%に上った。虐待者は実母が約6割、実父が約3割を占める。同センターが虐待で一時保護したケースは270件。相談者については、同センターは警察からが最も多く1289件で、市町では学校からが最多で2628件だった。 虐待相談件数は増加傾向で、10年前(13年度、5109件)の1.6倍となった。県子ども家庭支援課は「相談体制の充実や啓発に力を入れ、虐待に対する市民の意識が高まったためではないか」とみる。 県は体制強化策の一環として、今年4月、4カ所目の児童相談所となる日野子ども家庭相談センター(日野町小御門)を開所したほか、子どもへの面談などを担う児童心理司を3人増員した。 (まいどなニュース/京都新聞)
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