【エリザベス女王杯】ジャスタウェイ産駒は4歳秋の重賞で複回収率297% データで導く穴馬候補3頭
データで見る「穴候補3頭」
中央競馬では今週から年末までノンストップでGⅠウィークが続く。その端緒が牝馬限定の芝中距離GⅠのエリザベス女王杯だ。 【エリザベス女王杯2023 注目馬】GⅠ級の牡馬相手に善戦、平坦コースで牝馬相手なら力は一枚上だ! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) 牝馬三冠で女王リバティアイランドの後塵を拝したハーパーや、同期の素質馬ブレイディヴェーグが世代レべルの高さを証明するのか、それとも古馬勢が先輩の意地を見せるのか興味は尽きない。今回もあらゆるデータを駆使し、3頭の穴候補を導き出した。 本題に入る前に、まずエリザベス女王杯を検討する上での大前提を紹介したい。 過去10年の年齢別成績を見ると、4歳以下が【9-7-8-74】単回収率125%、複回収率101%に対し、5歳以上は【1-4-1-71】単回収率4%、複回収率25%と雲泥の差だ。ちなみに5歳以上馬の好走6例のうち、実に4例は前年3着以内のいわゆる「リピーター」だった。 牝馬特有の成長曲線によるものか、GⅠ実績のある既成勢力が健在を示すことはあっても、5歳秋に新星登場というケースはほぼない。4歳以下の若い馬を中心に見ていくのがよさそうだ。
「前哨戦仕様」からのモデルチェンジを ライラック
穴候補1頭目はライラック。コースは違えど昨年の2着馬であり、前走は府中牝馬Sに出走して3着だった。 過去10年のエリザベス女王杯において、前走府中牝馬S組の成績は【4-5-3-40】複勝率23.1%。特に条件を絞らなくても単複回収率は100%を超えていて、ステップレースとしてよく機能している。ここをさらに掘り下げる。 より注目したいのは府中牝馬Sに「馬体重+4キロ以上」で出走していた馬。単回収率は227%、複回収率も132%と非常に優秀だ。さらに冒頭で述べた「4歳以下」の前提を加えると【3-2-3-12】複勝率40.0%、単回収率375%、複回収率218%まで上昇する。 つまり、前哨戦はやはり「前哨戦仕様」とでも言うべきか、少し余裕を持たせたカラダで走り、そこからエリザベス女王杯へ歩を進める臨戦過程が理想的というわけだ。 であれば、府中牝馬Sに前走比+18キロで参戦し、0.1秒差3着だったライラックがまさにイメージと合致する。春はやや振るわなかったが、日経賞4着、目黒記念9着、宝塚記念17着といずれも牡馬混合のGⅡ、GⅠにぶつけた結果でもある。牝馬どうしの2200m戦ならGⅠでも上位に食い込むだけの力はある。