名球会対抗戦で復活した偉大なる野茂のトルネードが語ったもの
名球会の40周年を記念した「名球会ベースボールフェスティバル2018」セ・パ対抗戦が24日、東京ドームで3万人弱ものファンを集めて7回制で行われ、5-5で迎えた7回裏、一死満塁から巨人の阿部慎之助(39)がセンター前にサヨナラポテンヒット、名球会セ・リーグチームが勝利した。平凡なセンターフライがラッキーな殊勲打に変わったとあって、お立ち台では「恥ずかしいです」を連発していた。 会場を最も沸かせたのは、名球会パ・リーグチームの先発を務めた元近鉄、ドジャース、レッドソックスなどで活躍した野茂英雄氏(50)のトルネード投法。日米の扉を開いた偉大なるパイオニアは、野球人口減少に危機感を抱き、「一人でも多くの野球ファンができて、その中からみんなが目指すような選手が出てきて欲しい」とメッセージを送った。 ヒゲ面の野茂氏は、でっぷりとした、そのお腹をものともせずに往年のトルネード投法を披露した。先頭の元巨人の“赤手袋”柴田勲氏(74)への初球は120キロのストレート。背中を打者に向ける捻りの角度が、少々浅くなっていたが、観客席からは「速い!」という、どよめきが漏れた。 その柴田氏には、頭上を高いバウンドで抜かれた、続く元中日の高木守道氏(77)には、セーフティバントで揺さぶられたが、それはファウルになり、結局、4-6-3の併設打。元広島の山本浩二氏(72)には、初球に「カーブ」。123キロのストレートをライトへ打ち返されたが、元西武の秋山幸二氏(56)が曲芸の背面捕球。打った山本を「畜生!」と悔しがらせた。 「もうあっちにしかボールが飛ばないことは何回もやっているのでわかっていました。打ってもらえる球を投げれて良かった」とは、野茂氏の対山本氏談話。 二回には、まずアンダースロー、元阪急の山田久志氏(70)vs元巨人の王貞治氏(78)の1打席勝負があった。山田氏は往年のマウンドスレスレの低い位置まで腕が下がらず、サイドハンドに近かったが、少しコンパクトになった1本足打法の王氏を三振に打ち取ると、再び野茂氏のトルネードが発動。その名前がコールされるとファンは喜んだ。