自動運転バス導入へ徳島・那賀町が実証実験開始 2027年度中の実装目指す
那賀町は11日、運転手の操作なしで走行する自動運転バスの導入に向けた実証実験を始めた。町内の路線バスの廃止や縮小で公共交通の確保が課題となっており、町は2027年度中に運転手が同乗しない形での運行を目指して段階的に実験を進める。町によると、県内初の取り組み。 【地域の移動手段はいま】⑩自動運転バス 那賀町、導入へ計画進む 実験初日は、定員16人の小型電気バス(全長7・2メートル、幅2・3メートル、高さ3メートル)が、町役場の相生支所(延野)から本庁舎(和食郷)までの走行区間の片道約9キロを2往復した。 事業は自動運転サービスを手がける「エードライブ」(横浜市)に委託。運転手や同社の担当者が同乗し、手動運転で区間を走行しながら道幅や操作が必要な点滅信号の箇所を確認して走行速度や地図データを修正した。その後、区間の7割程度を運転手が操作しない自動運転(最高時速35キロ)に切り替えて走行した。役場駐車場への進入時など、操作が必要な地点以外は基本的に自動運転を行う計画だ。 バスにはカメラ16台など32のセンサー類を搭載。周囲の状況を自動で確認するほか、車両からの映像を外部のモニターから見ることができ、将来的な目標として、運転手が同乗せずに遠隔管理しながら自動運転バスを走行できるようにする。 事業費はバスのリース代525万円など計3953万円(うち国補助金3500万円)。29日までの平日15日間で実証実験を行い、27~29日は住民に試乗してもらう。実験期間は26年度末まで。 町は「上那賀病院などへの接続を想定している。自動運転バスの活用で持続的な公共交通を確保したい」としている。