「ラストチャンスだと思ってやれよ!」井上一樹二軍監督から板山祐太郎へ込めた期待とその真価
『またグラウンドで』元チームメイトに感謝の気持ちを持って挑んだタイガース戦
即スタメンで移籍後初ヒットを記録すると、内外野守れるユーティリティープレイヤーとしてチームにとっての存在感は日に日に強まった。見せ場は6月25日、タイガースとの一戦。両チーム無得点のままの迎えた8回、値千金のタイムリーヒットを放ち、お立ち台に上がった。 「今までは味方として応援してもらった声援が、敵として聞くと本当にこんなに凄いのかと感じましたし、忘れられない1日になったなと感じます。」 お立ち台の上で、感慨深そうに語った板山選手はその時の思いをこう語った。 「(タイガースには)8年間一緒にやってきた先輩や後輩がいますけど、『頑張れよ』『またグラウンドで会えるのを楽しみにしている』とか色々言ってもらえたので、タイガース戦では感謝の気持ちを持ってプレーしています。」 プロ生活で結果の出ない日々もあった中で、タイガースでの感謝を胸にラストチャンスとしてドラゴンズにやってきた30歳は、32試合で2本塁打・10打点・打率.308と新天地で躍動を遂げた。
更なる目標『チームのワンピースになれるように…』
チームにとって欠かせない存在となりつつあり板山選手はこれからの目標をこう語る。 「ここから最後までいい時も悪い時もあるけど、1試合でも多く勝ってまだそんなにゲーム差も離れていないので、なんとか上位に食い込んでいけるようにそのワンピースになれるように頑張りたいと思います。」 掴み取ったラストチャンスにしっかりと結果で答えた板山選手は、チームの中で求められるかたちに柔軟に対応して価値を発揮している。7月7日には、最終回に満塁のチャンスで石川昂弥選手の代打として登場して自身初のサヨナラ打を放った。チームメイトにも手荒い祝福を受けて、結果とともに仲間として溶け込んだ姿が印象的だった。 ヒーローインタビューでは板山選手は『スポーツドリンクをかけられてベタベタしていますけど最高です』というコメントで笑いを誘ったが、その犯人の一人は宇佐見真吾選手だった。理由を聞くと、昨シーズン、サヨナラ打を放った3回とも高橋周平選手にスポーツドリンクをかけられたからだという。ちなみに高橋周平選手は、今回飴をかけるという斜め上を行くイタズラを敢行していた。スポーツドリンクと飴をかけられることで、ジンクスとして宇佐見選手のようにまたサヨナラ打が見られるかもしれない。 福永裕基選手は板山選手について、『めちゃくちゃ負けず嫌いでアプリのゲームで負けるとやりこんできて再戦を挑んでくる』と語り、阪神のチームメイトでもあった山本泰寛選手は『目の前のことに夢中になりすぎて、後輩にいじられる。』と語っており、実直で一生懸命な性格が伺える。その直向きさや覚悟を持ったプレーはチームにも好影響を及ぼすだろう。井上二軍監督から受け取った期待をこのままさらに磨いてチームも押し上げていってほしい!がんばれ板山選手!がんばれドラゴンズ! 澤村桃
CBCテレビ