韓国当局、大統領へ25日の出頭を要請 繰り返し拒否なら令状請求も検討
【ソウル=桜井紀雄】韓国で政府高官の不正を調べる「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」や警察による合同捜査本部は20日、「非常戒厳」宣布を巡って内乱首謀容疑で捜査している尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対し、25日午前に取り調べのために公捜処に出頭するよう要請したことを明らかにした。 尹氏は、公捜処が16日に要請した18日の出頭に応じず、2回目の出頭要請となる。韓国メディアによると、尹氏が正当な理由なく出頭拒否を繰り返せば、公捜処は身柄拘束に向けた令状請求を検討する方針。 戒厳を巡っては、検察も15日や21日までの出頭を求めるなど、尹氏への取り調べを競い合う状況だったが、検察は18日、尹氏と李祥敏(イ・サンミン)前行政安全相の捜査を公捜処に移管すると発表。捜査主体が一本化され、捜査機関間の調整を理由に尹氏側が出頭の先延ばしを図るのは難しい状況だ。ただ、弁護団の選任が終わっていないとして今回も出頭に応じない可能性がある。 一方、警察は20日、国会による尹氏の弾劾訴追を受けて大統領権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相や、閣僚ら戒厳宣布直前の閣議に出席した9人の事情聴取を既に行ったことを明らかにした。