プレーオフトーナメントの前哨戦ではなく、イーグルスは「勝って成長を続ける」。全勝ワイルドナイツに挑む
2シーズン続けての4強入りは地力がついた証拠だ。 勢いでつかんだものではない。苦労した時期がありながら、這い上がり、他チームとの競り合いに勝った。南アフリカ代表の大駒2人を欠いた時期も長かったけれど、地に足をつけて戦った結果の上位進出だ。
5か月前の開幕戦で完敗した時、FL嶋田直人は、「(前年3位になった)自分たちを見る周囲の目が変わったように感じました。ヘタなことはできないぞ、と思う気持ちがどこかにあったかも」と話し、挑む気持ちを強く持って戦いに臨めなかったことが悔しそうだった。
善戦した後に2回、こてんぱんにやられたイーグルスにとって、ワイルドナイツは、自分たちの現在地を教えてくれる最高の相手だ。今回の大分での戦いは、自分たちが以前とは違うマインドセットを持った集団になっていることを示す場にもなる。
その一戦でゲームキャプテンを務めるのはHO中村駿太。2節前の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦ではプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれるなど、新天地で体のキレが増したように見える。
アーリーエントリーでチームに加わったSO武藤ゆらぎのパフォーマンスとポテンシャルにも注目だ。 前節に続いて2戦連続の先発。初先発のトヨタヴェルブリッツ戦では個人の才能は発揮したけれど、チームを勝利には導けなかった。 その学びを今節に生かす。
対するワイルドナイツは、今季開幕から15連勝中と、その歩みは順調なままだ。 前節の花園近鉄ライナーズ戦では、今季のプレータイムが短い選手たちを起用したものの(33-24)、選手層の厚みをあらためて感じさせた。
今回のイーグル戦の先発には、プレーオフトーナメントを戦うチームのスターターに名前が並びそうな選手たちが揃った。 こちらも、勝利しか考えずに挑む姿勢を貫く。進化の著しい相手の頭は、何度でも叩いておくべきだと分かっている。
昨シーズン王座から陥落したワイルドナイツ・選手たちは全員、それ以来、その時の屈辱を忘れたことはない。 シーズン前の合宿。シーズンに入ってからの試合前。そして日常の練習時でも、「悔しさを忘れるな」の言葉が途切れることはなかった。 過去15戦、危なげなく勝ち続けているのも、そんな毎日を過ごしているからだ。